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第3文型のVは1つだけ目的語を要求する他動詞です。

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英語の第3文型を理解するために切っても切れないのが自動詞と他動詞と言う概念です。自動詞と他動詞の違いを見分けることが出来れば、第1文型と第3文型の違いはバッチリです。特に前回の連結動詞を見て下さったあなたなら、自動詞と他動詞のみならず、第2文型の「連結動詞と補語の関係性」と「他動詞と目的語の関係性」の違いまで理解出来るようになります。この記事では、自動詞と他動詞の違いを解説し、前回の連結動詞と補語の関係性にも少し触れながら例文を紹介したいと思います。

自動詞と他動詞の違いは「動作の性質」で見分ける

あなたは「横たわる」と「横たえる」の意味を知っていますか?

中一の英語で「lay」と「lie」の和訳で初めて出会った時、

僕は日本語の意味すらよく分かりませんでした。

あれから30年以上過ぎた今でもその日本語を使ったことがないです。

なぜなら、「横になる」「横にして置く」と言う日本語で生きてきたからです。

使った人に出会ったことすらありません。

自動詞と他動詞を学ぶ上で理解を妨げているのは、

「lay」と「lie」と言う間違いやすい英語の活用と

積極的に使う気になれない日本語を積極的に

授業で使うせいではないかと思うほどです。

だから、分かりやすい言葉で説明します。

では、「横になる」「横にして置く」

の意味の違いはどこにあるでしょうか?

これを探れば自動詞と他動詞の違いが見えてきます。

まずは動詞に注目し、飾りのない最小限意味の通る文章を作る為に必要な部品が何かを考えると良いです。

「横になる」を見て最小限意味の通る部品は

「誰が」という部品だけです。

一方で「横にして置く」に必要な部品は

「誰が」と「何を」です。

・私は横になる。

・私は写真立てを横にして置く。

違いが分かりますか?

必要な部品に差が出る理由は、「動詞の性質」に違いがあるからです。

「横になる」動作は主人公だけで完結します。

「横に置く」動作は主人公だけでは完結しません。

つまり「横に置く」と言う動作が要求しているものが

主人公と対象物なのであり、

このように主人公と対象物を要求する動詞のことを他動詞

その対象物を目的語と言います。

逆に、主人公のみを要求する動詞を自動詞と言います。

英語では自動詞を「intransitive verb」、他動詞を「transitive verb」

と言いますが、本来の意味は

影響を与えない動詞:主人公だけで動作が完結するもの=自動詞

影響を与える動詞:主人公が他に影響を与えないと動作が完結しないもの=他動詞

という事です。

そして目的語objectとは「何を(だれを)」「何に対して(誰に対して)」

に値するものを言い,前者を直接目的語、後者を間接目的語と呼びます。

(両者の違いについては次回以降で詳細説明する予定ですが、今は目的語を1つのみ要求すると理解しておいてください。)

このように主語、他動詞、目的語があれば第3文型(S+V+O)です。

第1(SV)、第2(SVC)、第3(SVO)文型の違いを例文で確認

それでは例文の前に型を整理しておきましょう。

第1文型S+V  (V=自動詞)

第2文型S+V+C(V=連結動詞)

第3文型S+V+O(V=他動詞)
*厳密には要求されるものが直接目的語

ご覧のとおり、「動詞の性質」がそれぞれ異なっています。

よって見分け方のコツは動詞の性質を見分けることです。

同じ単語を使っても、その性質が、後に何が続くかによって

自動詞にも他動詞にも、また連結動詞になる場合もあります。

当然ですが、それによって意味が変わってきます。

You will change.
あなたは変わるだろう。

You should change your attitude.
あなたは態度を変えた方がいい。

「変わる」が要求するのは主語のみです。

「変える」が要求するのは主語と目的語です。

changeが「自動詞」「他動詞」どちらの意味を持つかは

文章の前後の単語によって違ってきます。

「変わる」の意味なら文章がいくら長くてもSV

「変える」の意味なら他動詞SVOです。

You have changed (a lot over the past few years).
君は(ここ数年で随分と)変わった。

a lot以下は「ここ数年で」「随分と」と言う副詞のカタマリで、

文章の意味は「変わる」なのでS+Vなのです。

では別の単語を使い少し応用してみましょう。

He runs in the park twice a week.
彼は週に2回公園を走っている。

run「走る」が要求するのは主語のみです。

「彼はあなたを走る」とは言いません。

つまり「走る動作」からは「誰を」や「誰に対して」という対象は要求されません。

in the park twice a weekは副詞のカタマリです。

よって副詞を取り除いたHe runsが型の本体です。

第1文型S+VでVは自動詞ですね。
(V=自動詞なのでSV構文)

次の例文はどうでしょう。

He ran the horse (through the fields).
彼は馬を走らせ草原を駆け抜けた。

ranはrunの過去形ですね。

ここでは「走る」ではなく「走らせる」です。

要求されるのは主語と目的語です。

through the fieldsは「草原を通り抜けて」と言う

副詞のカタマリなので、副詞を取り除いた

He ran the horseが型の本体です。

つまり、第3文型のS+V+OでVは他動詞ですね。(V=他動詞なのでSVO構文)

最後の例文です。

The well runs dry.
井戸の水が枯れている。

このrunは「の状態になる」の意味です。

つまり、「井戸」=「乾く」状態になる、

なので、連結動詞のVです。

連結動詞が要求しているモノは、

「主語が一体どうしているのか?」

と言う状態(状況)説明なのです。

よって、S+V+Cの第2文型です。

「走らせる」の例文では

「彼」=「馬」が成立しませんね。

馬は彼を説明するものではないですからね。

V=連結動詞なのでSVC構文です。

まとめ

自動詞と他動詞の違いは理解できましたか?

自動詞の文法解説では「目的語がなくても意味が通じる」とか、

「目的語を必要としない」と言う説明がされます。

確かにそうですが、僕はずっと分かりにくいなと感じていました。

要は「動詞の要求によって」決まってくるので、

文章内に「何かを / 誰かを」を入れてみると判別がつきます。

自;私は何かを泳ぐ、私は何かを横になる、私は何かを走る

他;私は何かを持っている、私は何かを蹴る。私は何かをt取る

このように、自動詞であれば「何かを」を挿入すると文章が成り立ちません。

つまり、自動詞とは「目的語を必要としないもの」というよりも

「 何かを / 誰かを 」(目的語)を入れると文章が成り立たないものです。

かつての自分もそうでしたが、英単語の意味を日本語で1対1の関係でしか考えられない人は、

この単語は他動詞ですか自動詞ですかという類の疑問を抱きます。

しかし、自動詞か他動詞かは副詞を取り除いた前後関係から

意味を推測し、判断する必要があります。

同じ単語が自動詞、他動詞、連結動詞いずれにもなりうるからです。

それは例文を見ていただき理解されたことと思います。

動詞が主人公で完結すれば自動詞。

動詞の前後がイコール関係なら連結動詞。
(こちらも主人公で完結している)

動詞が主人公だけで完結しなければ他動詞。

それによって、

第1文型(SV)

第2文型(SVC)

第3文型(SVO)

と言う風に文型が決まってくる、

と言うか決まっているモノを判断していくのです。

そのためには、一つの動詞が自動詞、連結動詞、他動詞

3つの意味を持っている可能性を念頭に置いておきましょう。

たとえthe wellの意味が分からなかったとしても、

長文で「水がない」とか「喉がかわいてる」とかヒントが文脈にあれば

「水源がdry」と言う状態なのではないか?

と言う推測が出来るようになります。

そうすれば、runsが連結動詞であること、the wellが水源であること

がたちまち理解できるようになります。

あとは、ここでお伝えした事を実践に持ち込んで訓練するだけです。

⋆補足:他動詞と自動詞の分類がようやく説明できましたので、念の為説明しておきます。

I am upstairs.
私は2階にいる。

こちらの文章では、be動詞の「存在する」の意味であること

空間を表す副詞はいずれの動詞の要求にもない品詞であること

の2点をお伝えしましています。

しかし、現実問題として、「全てのbe動詞」には「空間の副詞」と

「連結動詞」は後ろには「補語」がないと文章として使えません。

このような自動詞を不完全自動詞と呼びます。
(第1文型のbe動詞と連結動詞全て)

第1文型の「横になる」などのbe動詞以外の自動詞は

純粋に動詞の後ろに何かを置かなくても文章が成立するので、

完全自動詞と呼ばれています。

これを聞いて腑に落ちる方と、そうでない方がいると思いますが、

意味が分からない方は、この補足をむしろ忘れて下さい。

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