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物質名詞の本質は質量名詞です!

物質名詞とは質量名詞のこと

英語の物質名詞は、例外も多くややこしいと感じることはないですか?でも考え方を変えるだけで、もう例外に振り回されなくなります。実際僕も散々矛盾に振り回されていましたが、考え方を変えるだけで、迷わなくなりました。今回は物質名詞とは何か、物質名詞の例、物質名詞の原則と例外の矛盾の解決法をお伝えします。考え方のコツがわかるので迷いが解決されると思いますよ。

物質名詞とは原材料や資材を意味する名詞

物質名詞とは、原材料や資材、液体、個体、気体と言った視点で

文脈に使う名詞の事を言います。

なぜ、物質名詞が重要なのかと言うと、

冠詞を使わない文脈が中心と考えられているからです。

例えば「山が燃えている」と言う文脈では「どの山」かが問われますが、

「ダイヤモンドは硬い」と言う文脈では「どのダイヤモンド」かが問われません。

なので、「ダイヤモンドは世界一硬い物質だ」

と言いたい場合は、

Diamond is the hardest substance in the world.

このように冠詞をつけません。

これは「ダイヤ」と言う原石(材料)に注目した文脈なので冠詞がないのです。

でも「大きなダイヤ」と言いたい場合は、「どんな」に焦点があり、

材料としての視点が弱まります。

The lady wears a large diamond.
その女性は大粒のダイヤを身に着けている。

このように冠詞をつけて「ダイヤの中でも大きい物の1つ」

と言う表現になります。

さらに有名なダイヤをルパンが盗んだら、

The phantom thief Lupen stole the diamond.

怪盗ルパンがそのダイヤを盗んだ。

と、theを使った表現になります。

こちらも原石には視点がなく、「どの」に焦点があります。

なので、冠詞を使わないことを原則にしながら、

「どの」「どんな」が意識されると

絞り込みをかけて冠詞をつけるという特徴があります。

物質名詞は主に、人間には作り出すことはできない

自然界に存在する要素や物体に与えられた名前です。

しかし、人間が新しいものを作り出した物質もあります。

では具体例を見て行きましょう。

物質名詞の例

物質名詞の例を紹介します。

自然界由来や動物由来、植物由来が中心です。

自然界の物質名詞:

water水、air空気、fire火sand砂、earth大地、rock岩、gold金、silver銀、copper銅、iron鉄、coal石炭、unlight日光、rain雨、salt塩、など。

動物由来の物質名詞:

meat肉、egg卵、milk牛乳、honey蜂蜜、silk絹、leather革、wool羊毛など。

植物由来の物質名詞:

cotton綿、food食物、oil油、wood木(材)、coffeeコーヒー、medicine薬、tea茶、rubberゴム、など。

でも原材料を使って人間が作り出した物質もあります。

人が作った物質名詞:

perfume香水、acid酸、plastic合成樹脂alcoholアルコールasphaltアスファルトbrickレンガcementセメントbutterバターchoakチョークcheeseチーズenamelエナメルfeltフェルトgelatinゼラチンcloth布moneyお金など。

物質名詞の使用上ルール

物質名詞を文章の中で使うためのルールは以下の通りです。

では具体的に説明します。

基本的に、物質として扱う場合は無冠詞です。

He ate egg.
彼は卵を食べた。

I cannot tell cotton from wool.
私には綿と羊毛の区別がつかない。

This dress is made of silk.
このドレスは絹で出来ている。

We import textiles, especially silk.
我々は織物、特にシルクを輸入している。

The food includes water and potassium.
その食物には水とカリウムが含まれている。

Plastic is a polymer that made up of carbon and hydrogen atoms.
プラスチックは高分子で炭素と水素原子からできている。

This chimney is made of brick.
この煙突はレンガ造りです。

卵は数えることが可能ですが、調理されたものを言う文脈では、

境界線がなくなる(卵としての形を維持していない)ので物質として扱うことになります。

境界線を感じるかどうかで、その名詞が物質名詞として扱われるかどうかが

決まります。

「BはAからできている」「Aの性質はどうだ」など、Aに当てはまるもの

のように冠詞を使わない理由も「どの」「どんな」が問われない文脈で

境界線を感じさせないからです。

境界線がある場合には、物質名詞と冠詞を一緒に使うことが可能。

本来のルールは「物質名詞は冠詞をつけない」です。

しかし、実際には“例外的に”使われています。

例外的にでも冠詞を使う理由は、

境界線があるからなわけです。

境界線を感じた時点で

それは普通名詞に変わる

と考えた方が楽です。

その見分け方は、

境界線を感じなければ「量」、つまり物質名詞

境界線を感じれば「個」、つまり普通名詞です。

ジョブズの有名なスピーチにもレンガの下りがあります。

Sometimes life hits you in the head with a brick.
訳:人生にはレンガで殴打されるようなこともよく起こる。
(直訳:人生が時にレンガを頭にぶつけてくる。)

「困難はあるが、諦めるな」と言うメッセージの比喩表現です。

やっぱり、感じるのは「量」ではなく「個」ですよね。

「量」で降ってくるのではなく、

1個レンガが飛んでくるイメージです。

だから、物質名詞でありながら、普通名詞のように扱っているのです。

物質名詞でも境界線があれば、複数形にできる

こちらも「物質名詞は複数形にできない」のが本来のルールです。

しかし、「個」を感じる文脈では複数形を使います。

なので、複数形を見かけたら例外なのではなく、

物質名詞が普通名詞に切り替わったと考えた方が楽です。

I ate two eggs this morning.
僕は今朝卵を2個食べた。

この文脈なら数詞を使い複数形に出来ます。

一方で、液体の場合はどうやっても境界線がなく「量」の扱いです。

I drink coffee every morning.
私は毎朝コーヒーを飲む。

どれだけたくさん飲んでも複数形にはできません。

We waste tons of water every day.
我々は毎日大量の水を無駄にしている。

複数形になるのはtonトン(単位)の方です。

coffees、waters、milks、teasとは言わないのです。

皆さんもこんな言い方は聞いたことないですよね。
(実際、口語ではあるんですけどね)

「量」なので測れますが、数えられません。

もし数えるとしたら、境界線を作る必要があります。

I drink a cup of coffee every day.
私は毎日コーヒーを(1杯)飲みます。

カップにいれて境界線が出来れば数えられます。

I drink three cups of coffee every day.
私は毎日コーヒーを3杯飲みます。

このように複数形にできるのはカップの方です。

まとめ

いかがでしたか?

物質名詞は主に加工前の材料や、液体、個体、気体のような視点を伴った文脈で使われる名詞の事です。

物質名詞は原則冠詞を使いません。

物質名詞は原則複数形になりません。

境界線がない「量」を感じさせる名詞だからです。

正直言ってしまえば、物質名詞と言うのは質量名詞の下分類の概念です。

だから、質量名詞の一覧と随分重なるところが多いと感じた人も多いと思います。

物質として捉えても、質量として捉えても冠詞を付けないという事が分かればそれで結構です。

もし、境界線を感じるときは、例外なのではなく

普通名詞の仲間と考えましょう。

物質名詞という言葉に捕らわれると、

「なんで?卵は複数形にできないルールだけど

実際は数えられるよね。」

と言う矛盾に時間を取られてしまい

分からずじまいになってしまいます。

物質名詞と普通名詞の使い方があると理解すれば、

そのような矛盾に躓く必要もないし、

例外をいちいち記憶する必要がなくなります。

境界線がなければ物質名詞として、

境界線があれば普通名詞として

境界線のないものを数えるときには境界線をつくる

と考えていれば、文章に出会っていくうちに慣れていきますよ。

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