I have a penの意味を知っていますか?「私はペンを持っている」と言う和訳は合っていますが、意味を誤解しているから、なぜI am having a penと言わないのか?と言う疑問が沸いてくるのです。状態動詞haveを中心に見ていくことで、状態動詞が現在進行形を作らない理由が理解できます。今回はその「なぜ」の解説と状態動詞の一覧を見てもらい規則性を感じていただこうと思います。記事を読むことで「状態だから進行形を作らない」と言う曖昧な解説では伝わらない状態動詞の本質が理解できるようになります。
状態動詞にはプロセスがないため進行形もない
状態動詞はなぜ現在進行形を作らないのか?
と言う問題に答えるのは非常に難しいです。
でも敢えて答えるとすれば
「静」の動詞はプロセス(過程)を捉えることが困難だ
という事に尽きると思います。
「動」の動詞であるwalk歩く
「静」の動詞であるhave持っている
この2つを比較してみましょう。
現在進行形とは「~している最中だ」と言う
動きの変化を伝える表現です。
「歩く」にはかかとを挙げて、足を挙げて前に出して、体の前にかかとをついて、つま先をつけて、それを左右交互に動かす、と言うプロセスがあります。
プロセスを経ることで、どんな動作かを推測することが出来、時間が流れているというのが容易に理解できます。
だから「今そういう一連の流れの最中だ」「プロセスが進行している」
と言うことができます。
一方でhaveにはプロセスがありません。
I have a carは「私は車を持っている」の意味だと分かる人は多いと物います。
でもこれが「目に見えないこと」を伝えている表現だとは知らないでしょう。
考えて見て下さい。
haveは今も語源も「所有」の意味です。
目の前に車がなくても伝えることが出来ます。
今ここに車があろうが、なかろうが無関係で使えます。
むしろ目の前に車がないからこそ
「私は車を持っています」と言う文章を作るのです。
だって、目の前にあれば、「これは私の車です」という文章を作りますから。
そして「所有する」までのプロセスはあっても
「所有」すれば、もうプロセスはありませんし、
目で捉えることも出来ません。
だから「所有している最中」とは言えないんです。
これと同じ理由でI have a penと言う場合
ペンが目の前にあろうがなかろうが関係ないんです。
ペンを誰かに見せてI have a penと言ったとしても
「目に見えないこと」を伝えているんです。
だから、目の前の自分のペンをアピールするなら、
This is my penと伝えるべきなのです。
日本語の「持つ」には「手に取る」という動作の意味がありますが、
「have」には「手に取る一連の動作」の意味がありません。
「ペンを持つ」という動きを伝えたければ、
grab(掴む)とかhold(握る)を使って
「持つ」という表現をする必要があります。
そして掴んでしまえばそれは「have所持する」と言う
「静」の動詞に変ります。
「所持している」ことは
ペンを握りしめていた(見えていた)としても
カバンに仕舞っていた(見えていない)としても
プロセスのない「静」の動詞です。
だからどちらにしてもhaveを使って
I am having a penとは言えないんです。
以上を踏まえて状態動詞の一覧を見て下さい
状態動詞の英語一覧
それでは状態動詞の一覧を掲載します。
「プロセスのない」皆さんが良く知る「静」の動詞には
それが「あるのか、ないのか」と言う感覚のものが多く含まれています。
「ある・ない」を意味する「静」の動詞
- 所有するhave /own / possess
- 構成するconsist
- 含むinvolve / include / contain
- 不足するlack
「構成する」も「含む」も「何かがあるんだよ」と言う
事を伝える単語です。
「水は水素と炭素から成る」と言えば
水分子の中に水素と酸素がある
という事ですよね。
「含まれる」と言う表現も同じです。
そこにプロセスはありません。
考えが「ある・ない」を意味する状態動詞
- 思う(think, feel, suppose)
- 想像する(imagine)
- 賛成する(agree)
- 反対する(disagree)
- 知っている(know)
- わかる(understand, realize, recognize)
- 覚えている(remember)
- 忘れる(forget)
- 信じる(believe)
- 疑う(doubt)
頭の中に何かしらの「考えを所持」しているのであって
そこにプロセスはありません。
感情の「ある・ない」を表す状態動詞
- 好き(like, love, prefer)
- 嫌い(hate, dislike)
- 欲しがる(want)
- 望む(wish, hope)
- 熱望する(desire)
- 必要としている(need)
- 気にする(mind)
- 感動させる(touch)
感情があればそのまま所持し続けるだけで
そこにプロセスはありません。
五感の「ある・ない」を表す状態動詞
- 感じる(feel)
- 味がする(taste)
- 見える(see/look/appear/seem)
- 聞こえる(hear/sound)
- 匂いがする(smell)
- 似ている(resemble)
感じてしまえば、その感覚を所持し続けるだけで
そこにプロセスはありません。
その他プロセスのない状態動詞
- 借りがある(owe)
- 約束する(promise)
- 合う(fit)
- 意味する(mean)
- 問題となる(matter)
- 印象を与える(impress)
- 価値がある(value)
などなど、目で見ることが出来ず、
プロセスを捉えにくいのが特徴です。
状態動詞を動作動詞として機能させる
目に見えにくくてもプロセスが伝わるなら動作動詞として
機能します。
例えばthinkは「意見を持っている(思う)」だけでは
プロセスがないので「静」の動詞なのですが、
「考えている」の意味ならと思考回路が動いている感じが
伝わるので「動」の動詞として機能し現在進行形を作れます。
それから特定の名詞とセットで使うhaveは所有の意味がなくなり
プロセスのある動作として機能し現在進行形を作ることが出来ます。
have dinner(夕食をとる・夜ご飯を食べる)というのがそうです。
熟語を覚えるときに「食事を持っている」と考えるのも良くないです。
だって所有の意味は失われているわけですから本質を見失っています。
「食事を口まで運んで咀嚼するプロセス」の意味に変っているのです。
また、「静」の代表格であるbe動詞を現在進行形にして
「今だけそのようなプロセスがある」と言うような
使い方もします。
例えば普段意地悪な人が今だけ優しい人と同じことをしている場合、
He is being kind today.
彼は今日やけに親切だ
と言う使い方をして「普段にはないプロセスが見られる」
事を表現します。
他にもloveという「静」の動詞を使い
I‘m loving it! とマクドナルドがCMで使い
一時話題になりました。
文法を教える立場からは間違いとしか言いようがないのですが、
多くの人に許容されています。
はっきりとした意味がなく、enjoyの意味だと推測したり、
love itだと重たい表現だから、という人もいます。
being kindと同じ使い方だとすれば「今だけ好きだ」
と言うことになりそうですが、非ネイティブが間違って
使った言葉にヒントを得てキャッチーナフレーズとして
使ったというのが真相かもしれません。
まとめ
状態動詞のイメージはつかめましたか?
日本語で「今持っている」と言えば
「今握りしめている」と同義に感じますが、
英語のhaveにはその意味がありません。
あくまでも「今所有している」という意味しかなく、
所有権は「目の前になくても」主張できるもので
その権利獲得にはプロセスが存在しても
権利を維持していることにはプロセスがありません。
だからI have a penと言ってペンを見せる人がいるなら、
それは「このペンを見て下さい、これは私のモノです」
と言っていることと同じです。
つまり「ペンの所有権を伝える文章」か、
或いは「所持」の意味だとすれば、
「私、普段からペンを持ち歩いています」
と言う意味にしかなりません。
権利の有無は文脈で判断するしかないですが、
いずれにしても、そこだけ聞けば「だから何?」と言う文章ですよね。
ここまで理解できればhaveがプロセスのない「静」の動詞であり、
I am having a penがいかにおかしな文章か理解できるはずです。
そしてプロセスのないものを「今、しているんだ」
とは言えませんが、「今だけ、している」
という言い方は可能です。
また、一覧で挙げた「静」の動詞は現在進行形に出来ない
としていますが、それは「静(状態動詞)の意味なら」
と言う事です。
1個の単語には複数の意味があるため、「動」の意味なら
現在進行形にすることも出来る
と言うことをお忘れなく。
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