どのような場合に冠詞を付けないのか分からない方は多いのではないでしょうか?名詞の種類によっても辿り方が異なりますが、基本的な部分は同じです。冠詞を付けないところを起点にして「冠詞a とtheをつける、つけない」を考えれば簡単です。各名詞の種類については別記事がありますので、ここでは簡単に考え方を述べて、「手段」の一覧を挙げておきます。最終的にはなぜ交通手段や目的に冠詞が付かないのかも分かるようになります。
無冠詞とは個別性や具体性がない名詞を意味する
無冠詞(zero article)は通常、以下のような場面で発生します。
「可算名詞の複数形」と「具体性のない概念」
冠詞のa theをつけるときは個別性を意識するときです。
逆に言えば、個別性を意識しない時は、通常無冠詞です。
個別性とは「どの」「どんな」の事です。
例えば、「あの犬」「黒い犬」は「どの」「どんな」に相当し
具体的な犬の事を言うわけじゃないですか。
そういう具体性があるものに冠詞を付けて普通名詞化させて、
具体性がない物には冠詞は付けないで抽象化させておく、という事です。
だからどんな場合が抽象化なのかを考えていけば簡単です。
これは名詞の種類によって辿り方が違うので
可算名詞
可算名詞なら複数形で全般 / 一般(個別性がない)を意味するとき
dogs、cats、books、cars
今、この状態で普通名詞が抽象化しています。
日本語でも「犬は」「猫は」「本は」「車は」と言えば、
「すべての犬」「すべての猫」「すべての本」「すべての車」のことで、
抽象的な話をしているじゃないですか?
ここから1個代表を選ぶ際にa、theなど冠詞を付ける。
a dog、a cats、a book、a car なら
「同じ属性の中からある1個体(個別性を意識)」を選択し、
(日本語でも「あるところに一匹の犬が」と言えば個別の犬ですよね)
the dog、the cat、the book、the carなら
「唯一無二の存在(個別性を意識)」を選択していることが伺える。
(日本語でも「その犬が」と言えば、より具体的な犬ですよね)
またthe dos、the cats、the books、the carsなら
「唯一無二のまとまった集団」だと分かる。
(「その野良犬らが」と言えば具体的な犬の集団ですよね。)
詳しい解説は固有名詞と複数名詞の見分け方をご覧ください。
不可算名詞
不可算名詞なら無冠詞で一般(個別性がない)を意味する。
water、bread、furniture、luggage
今、「質量」と言う状態で半抽象化しています。
「個別性」を意識するならtheをつけます。
詳しい解説は不可算名詞とは仮の姿ですをご覧ください。
抽象名詞
抽象名詞なら無冠詞で一般(個別性を意識しない)を意味する。
love、luck、opinion、anger
抽象名詞なので、抽象化していますよね。
「個別性」を意識するならtheをつけて普通名詞化させます。
*抽象名詞には数えられるものもある。
言語や学科、年月や曜日、スポーツなども無冠詞と言われますが、
この辺りは全て抽象名詞の分類です。
詳しい解説は抽象名詞とは何か一覧で確認しよう!でご覧ください。
集合名詞
集合名詞なら無冠詞で一般(個別性を意識しない)を意味する。
「個別的集団」を意識するならtheをつける。
class、family、people、jury
個別性を意識することの方が多い。
詳しい解説は集合名詞の法則を一覧で確認しよう!でご覧ください!
固有名詞
固有名詞には基本theを付けない。
固有名詞は元々個別性を意識するために付いた名前だからです。
しかしa でぼやかしたり、theで人間性を代表したりもします。
また、固有名詞由来ではないものにはtheが付いています。
theのつく固有名詞は元々普通名詞だったものです。
詳しい解説は固有名詞にtheをつける例と解説をご覧ください。
交通手段や通信手段、目的に冠詞を付けない
乗り物一覧
by (air)plane(飛行機で) by ship/by boat(船で) by ferry(フェリーで) by subway/underground/by tube(地下鉄で) by monorail(モノレールで) by train/by tram(電車で) by express (train, bus, boat)(急行で) by helicopter(ヘリコプターで)by bus(バスで) by car(車で) by taxi(タクシーで) by cab(タクシーで) by bicycle(自転車で) by motorcycle(バイクで) by ambulance(救急車で)など
on horseback(馬で)
経路
by land(陸路で)by air(空路で)by sea(海路で)
自力
on foot(徒歩で)
一般的には手段に冠詞を付けないと言われています。
でも、個別性が意識される時には冠詞が付きます。
by the 6:30 train(6時30分の電車で) by the last train(終電で) by an early train(早朝の電車で)
「何時の乗り物で」と言う場合は個別性、具体性がでますよね。
あくまでも個別性がない手段に関しては冠詞が付かないのです。
通信手段一覧
by post/by mail(郵便で) by letter(手紙で) by express (mail or post)(速達で) by registered mail (or post)(書留で) by air/airmail(航空便で) by (tele)phone(電話で) by radio(ラジオで、無線で) by fax(ファックスで) by computer(コンピュータで) by e-mail(電子メールで) by telegram/by telegraph/by wire(電報で)など
電車や船、電話やラジオ、コンピュータは本来可算名詞ですよね。
つまり、本来は無冠詞複数形にして一般的な意味になるので、
無冠詞の複数形で手段として通じるはずなんです。
無冠詞の単数にすることで、はっきりと抽象名詞(概念)化しているという事です。
(抽象名詞は単数の無冠詞が基本)
目的を表す場合
go to bed 寝る
go to school 就学する、登校する、通学する
go to class クラスへ移動する、授業に行く
go to college 大学に行く、進学する
go to work 出勤する、仕事に行く
go to church 協会に行く、礼拝にでる
have breakfast 朝食を取る
have lunch 昼食を取る
have dinner 夕食を取る
at school 授業中、在学中 at home 在宅して at table食事をして
冠詞を使って「(個別的な)学校に行く」と言うと、
「どこの」学校に行くのか明確になるため、
その学校に何しに行くのかと言う誤解が生じます。
冠詞を使わず、「学校(抽象名詞)に行く」を使うことで、
概念としての学校を表し、その学校の概念である
本来の目的を想起させるようになるんです。
まとめ
無冠詞とは何かが理解できましたか?
冠詞は具体性があるものにつけるため、
その冠詞を付けないことで一般的な、
あるいは概念のような名詞を意味することになります。
つまり、無冠詞を基準にしてそこから冠詞を付けると
考えた方が分かりやすいと思います。
手段や目的が単数の無冠詞であるのは、
その名詞が概念であり、数えることを前提としていないからです。
それは可算名詞も例外ではなく、概念化していることが分かります。
概念化していても具体性があれば、やはりtheをつけるので、
繰り返しになりますが、無冠詞を基準にして
形容詞や冠詞をつけて具体化させると
考えていくと分かりやすいでしょう。
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