集合名詞は使い方が単数や複数扱いができるもの、複数扱いしかできないもの、単数扱いしかできないものがあってややこしいと感じませんか?実は単数扱いしかできない集合名詞なんてなくて、覚え方もとっても簡単です。法則を覚えてしまえば単数だの複数だの難しく考える必要がなくなります。今回は法則が見えるようにゼロから「集合名詞の本来の形」をお見せして、集合名詞が使えるように解説したいと思います。
集合名詞とは集合の単位のこと
集合名詞は同じ個体の集まりを1単位として数える名詞の事です。
日本語で靴1足と言いますね。
英語では a pair of shoesと言います。
2個の靴のセット(ペア)を1足と呼ぶ
この感覚は同じなので分かりますよね。
では、この感覚を広げていきましょう。
牛の群れのことを英語でa herd of cowsと言います。
鳥の群れならa flock of birdsとかa flight of birdsと言います。
狼の群れならa pack of wolves
ライオンの群れなら a pride of lionsやa troop of lions
アリの群れなら a colony of ants や an army of ants
など日本語なら「群れ」で済むところ、英語では呼び方が違います。
日本人は物を数えるときにモノによって単位が変わりますよね。
タンスは1竿、家は1軒、ウサギは1羽、イカは1杯
同様に、英語にはグループ単位で呼び名を変える文化があります。
pair、herd、flock、flight、pack、
pride、troop、colony、army
これらを集合名詞と呼びます。
ウィルスや細菌の集合体を「株」と言います。
「変異株」と言うのは、変異したウィルス1個の事ではなく、
もともとは同じ遺伝子を持つコロニーの事です。
(厳密には1系統の遺伝子を集合体とした呼び方)
これは日本語の1種の集合名詞と言ってよいでしょう。
さらに、話を進めますよ。
生徒の集団を a class of studentsと言い、
観客のことを an audience of listeners
陪審員のことを a jury of judges
委員会のことを a committee of members
本を集めた場所を a library of books
木々の集合体を a forest of trees
と呼びます。
1学級の1組の事をclassと呼ぶことを僕たちは知っていますが、
a class of studentsのclassが集合名詞であり、
その由来であることは容易に想像できますよね。
同様に、聴衆のことをオーディエンスと呼ぶ由来も
陪審員をjury、委員会をcommitteeと単体で言うことも、
図書館をリブラリーと呼ぶ由来も
森林をフォレストと呼ぶことも
全て集合単位の省略由来だと分かりますよね。
ここまでくると集合名詞のイメージが一気に理解できたのではないですか?
では集合名詞で絶対例に挙がる「家族」はどうでしょう。
a family of relatives
familyは「家庭の使用人」が語源で「家庭の構成員」という意味になりました。Relativesは「関係のある人々」です。
つまり家庭の構成員と言う1つの単位です。
それを省略してfamilyと言っているわけです。
しかも単体で使う方が一般的です。
集合名詞には3つの使い方があります。
今回はこのfamilyを使って解説します。
My family was invited to the wedding.
私たち家族はその結婚式に招待された。
My family were invited to the wedding.
私たち家族はその結婚式に招待された。
この2つの違いは家族を集合体と意識するか(was)
家族の構成員の個人個人を意識するかです(were)。
いずれにしても1つの家族の話なのでfamilyを複数形にすることはありません。
アメリカやカナダでは集合体として意識することが多く、
イギリスでは個人個人に注目することが多いようです。
だから、どっちを選んでも大丈夫なんです。
でも次のような場合は個人個人を意識した(are)文章です。
My family are doing different jobs around the house today.
私たち家族は今日家で別々の仕事をしている。
jobsが複数形ですよね。だから個人個人の仕事が意識される文なのです。
もう一つの使い方は複数形にするパターンです。
Five families were invited to the wedding.
5つの家族がその結婚式に招待された。
一方でこちらも絶対例に挙がる「警察」を見てみると、
a group of police (officers)
単位のgroupではなく、
police (officers)に省略されていることが分かります。
(つまりofの左辺ではなく右辺にある)
同じ集合名詞でもpoliceは使い方が単数ではありません。
police officersの略なので常に複数形で使います。
peopleが複数形でpeople isと言わないのと同じです。
The police are coming.
警察が向かっている。
peopleと同じ意味でfolk(人々)と言うのがあります。
もともと複数の意味なのですが、この複数に-sをつけて
Folksと言う表現もあります。
つまり、folksが2重複数なのです。
folk(人々)でもfolks(人々)でも
people(人々)と同じ複数扱いです。
集合名詞の例一覧
それでは集合名詞を一覧にしますので、
方程式を確認してみてください。
人に使われる集合名詞の例一覧
a class of students クラス
a choir of singers 聖歌隊
a band of musicians バンド
a troupe of artists 劇団(芸術家集団など)
a group of dancers / a troupe of dancers ダンスチーム(ダンサー集団など)
a team of players(スポーツなどのチーム)
a staff of employees 従業員一同
a gang of laborers 労働者組織
a board of directors 取締役会
a bunch of crooks 詐欺集団
a gang of thieves / a pack of thieves 窃盗グループ
a group of police (officers) 警察
an army of soldiers / a troop of soldiers / a squad of soldiers / a regiment of soldiersなど/
軍隊
a panel of experts 審査員、専門家委員
a government of politicians 政府
an audience of listeners 聴衆
a crowd of people 群衆
a tribe of natives 部族
a crew of sailors 船員
a flock of tourists 観光客一行
動物に使われる集合名詞の例一覧
a colony of ants / a swarm of ants / an army of ants / a nest of ants その他/
アリの群れ
a colony of bees / a swarm of bees / a flight of bees / a hive of bees その他/
ハチの軍団
a flock of birds / a flight of birds鳥の群れ
a host of sparrows雀の集団
a murder of crowsカラスの軍団
a team of ducks / a safe of ducks / a flock of ducksなど/
アヒルの群れ
a stands of flamingoフラミンゴの群れ
a flock of sheep羊の群れ
a herd of deer鹿の群れ
a herd of cattle牛の群れ
a herd of goatsヤギの群れ
a herd of buffalo水牛の群れ
a herd of horse / a team of horsesなど/ 馬の群れ
a herd of elephants / a memory of elephants 象の群れ
a herd of giraffes / a tower of giraffesその他/ キリンの群れ
a crush of rhinoceroses サイの群れ
a troop of monkeys サルの群れ
a pride of lions / a troop of lions ライオンの群れ
a pack of wolves 狼の群れ
a pack of hounds / a cry of dogs 猟犬の軍団
a pack of dogs 野犬の集団
a kennel of dogs / a mute of dogs 犬の群れ(集団)
a glaring of cats 猫の集団
a litter of puppies 子犬の集団
a litter of kittens 子猫の集団
a school of fish 魚群
a school of dolphins / a team of dolphins / a pod of dolphinsなど/
イルカの群れ(集団)
行動学的に群れない性質っぽいものを集団とし、
何かに従順で攻撃してくるイメージのものを軍団と訳しました。
物や事を表す集合名詞の例一覧
a pair of shoes 靴一足
a library of books 書庫、書斎、図書室、図書館など
a chest of drawers タンス
a pack of cards(トランプなどの)カードの山、カードの束
a bunch of keys カギの束
a string of pearls 真珠のネックレス
a wad of notes 札束
a stack of wood 材木の束
a bouquet of flowers / a bunch of flowers 花束
a hedge of bushes 植物の垣根
an album of stamps 切手集
an album of autographs 直筆入り写真集
an album of photographs 写真集
a pack of lies 嘘の塊、噓八百
a range of mountains 山脈、連山
a group of islands 諸島
a fleet of ships 艦隊
a galaxy of stars 銀河
a cloud of dust 砂埃、土煙など
a forest of trees 森林
a plantation of trees 植林地、農園など
どうですか?法則が見えました?
ちょっとまとめてみますね。
まとめ
集合名詞は、1つの集団を1つの実体と見なす名詞です。
法人のように、1つの集団を1つの法人格と見なす感覚に似ています。
「A of Bs(a group of Bs)」のAを単体で使う場合には、
3つの使い方が考えられます。
その集団を一人の人格、1つの単位と見れば、isです。
その集団の個人個人に注目すれば、areです。
その集団を1つの単位として数えることもできます。
peopleやpoliceのように、初めから複数の意味(Bs)
しかないものは単数扱いできません。
当たり前の話ですよね。
AもBも集合名詞です。
AはBの一部の集合体(それが群れ)だからです。
集合名詞と言うと難しい響きを伴いますが、調べてみると面白と思いませんか?
動物の集団はとくに単位が面白いです。
象はmemory、キリンはtower、イルカや馬はteam、カラスはmurder、猫はglare(じっと見つめる)、フラミンゴはstandなど発想豊かです。
全部覚えるのは大変ですが、想像を働かせて辿りつくこともできます。
動物に多い表現はherdですが、これはそもそも「家畜における群れ」と言う意味があり、野生動物にも広く使われています。またflockは「信者」の意味であり、信者のようについていく「鳥の群れ」に多い表現です。
もし思い浮かばなければgroupと言えば伝わります。
「a group of 複数形の何か(A of Bs)」に置き換えられるからです。
最後に、日本の文法では必ずと言っていいほど取り上げられるfurnitureとbaggageの使用方法についてですが、不可算名詞(という集合名詞)なので性質が異なります。
ここで取り上げた集合名詞は可算名詞です。
英文で解説される文法では不可算名詞の項目で取り上げられています。
からくり英語でも不可算名詞の一覧で取り上げますので是非お楽しみに。
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