不可算名詞とは別名なので本来の姿を一覧で解説します!

不可算名詞の本名

英語には不可算名詞という「数えられない名詞」がありますが、数えられない名詞にはmoney、furniture、fruit、advice、cheeseなど数えられそうなものも含まれますよね。実は数えられない名詞の不可算とは機能上の名前であり、本質的な名前は別にあります。その本質をもとに語源を辿ると殆どの場合、なぜ数えないのか理解が可能です。今回はその本質を伝えて語源を辿り不可算名詞とは何かを解説します。この記事を読んだ後には、どれが不可算名詞だったかなんて1つ1つ覚えておく必要はなくなります。

数えられない名詞:不可算名詞とは質量名詞のこと

皆さんは普段「空気」を数えたりしますか?

多分しないですよね?

なぜですか?

見えないから数えられないですよね。

でも見えないけど、存在を感じることは出来ますよね?

そこに存在を感じるのは「空気の質量」みたいな「なにか重さのようなもの」を感じるからですよね。

実際に「空気が重い」みたいな表現をしませんか?

実は、空気airには「質量名詞(mass noun)」と言う本質的な名前があって、文法上の機能的性質として「不可算名詞(uncountable noun /noncountable noun)」と呼んでいるに過ぎないのです。

つまり、「数」ではなく「質量」を強く連想させるような名詞を数えない名詞に(習慣的に)

分類しているという事です。

たとえば、気体や液体は「個数」ではなく「重さ」を連想しますよね。

液体を扱う時はグラムやリットル、ガロンなどの「量」の単位を用います。

でも「重さ」ではなく「1杯の水」のようにグラスで数えることは可能です。

これは英語でも同じ、1杯ならa glass of water、2杯ならtwo glasses of waterと「数」を意識した捉え方は出来るわけです。

でも根本にあるのは「重さ」です。

だから、waterを複数形にするのではなく、グラスを複数形にします。

日本語でも1水、2水とは言わず、1杯、2杯と「杯」に入れて数えているのが分かります。

抽象名詞も根本は「重さ」です。

「彼の愛が重すぎる」とか「膨大な情報量」とか、「豊富な知識量」など、loveとかinformationとか、knowledgeにも僕たちは「重さ」を感じ、「量」で表現します。

さらに、食べ物でもリンゴのような成果物ではなく加工品や生成物は「量」で扱う意識が強く働きます。例えば、牛肉beef、チーズcheese、パンbreadなどです。

ステーキ屋に行けば200g、300gとメニューに書いてありますし、チーズもパンも「計量」して形にしてあります。そして、リンゴなら1個の大きさや形で値段が決まりますが、チーズはグラムで値段が決まります。パンは1斤、2斤と数えますが、そもそも「斤」は「重さ」の単位なのです。

その他、問題になるのは「お金」とか「家具」ですよね。

でも「お金を数えてください」と言われて実際に数えているのは

100円玉、10円玉などの「硬貨」と1000円などの「お札」です。

つまり、1お金、2お金と言わないという事です。

さらに言えば、英語の本場イギリスの通貨ポンドは「重さ」の単位で、その記号をlbと書きます。これはローマ時代の天秤(libra)の略で、天秤とはすなわちもともと「量り売り」だったことを意味します。

moneyとはそう言った「量」の意識を強く含む単語です。

家具はテーブルや椅子など「すべてをまとめた概念」です。テーブル1個で家具1つ、椅子1個で家具1つと考えるのではなく、「いつでも合計したものが家具furnitureである」と言う捉え方をします。

このように「合計したもの」を1つとして意識する集合体も「質量名詞」に分類されています。それは「量として1つにまとめているから」です。

数えない名詞の一覧

では、質量名詞の一覧を紹介します。

上記で解説できなかった箇所は補いながら一覧とします。

「量に意識が傾く名詞は数えない」というのが本質です

気体: air空気、smoke煙、steam蒸気、fog霧、oxygen酸素、heliumヘリウム

液体: juiceジュース、teaお茶、water水、coffeeコーヒー、milkミルク、blood血液

天気: rain雨(降雨量/降水量)、snow雪(降雪量/降水量)、sleetみぞれ(降水量)、sunshine日差し(光線量)、ultraviolet紫外線(紫外線量)

粒子: sand砂(量り売り)、sugar砂糖、salt塩、pepper胡椒、flour小麦粉、makeup化粧 (配合量)

食べ物: beef牛肉、chicken鶏肉、cheeseチーズ、breadパン、riceご飯、puddingプリン、butterバター、honeyはちみつ、baconベーコン、creamクリーム、fruit果物

まずは果物(質量名詞)と野菜(可算名詞)に関する文章補足からします。

fruitは「果実」が可算名詞で、その中でも食用のもの「いつでも合計した概念」を「果物」と呼びます。だから、「果物」は数えません。家具と同じ集合名詞です。

vegetableは土から生える「植物すべて」を意味する概念です。だから、「植物」の意味ならは不可算名詞です。でも、「野菜」は間隔をあけて種を埋めるので、成果物も見て数えられますよね。だから可算名詞なんです。

同じ「植物」を意味するplantは可算名詞ですが、もともと若木や低木を意味するので、「数えられる植物」を意味しています。

抽象名詞、物質名詞、集合名詞はほとんど「質量名詞」です。抽象名詞の中には可算名詞のものがあります。各名詞は別の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧いただくとして、中でも質量名詞の項目に挙がるものを紹介し解説しておきます。

information情報、knowledge知識(知識量)、advice忠告・助言、newsニュース

traffic交通・貿易(交通量・貿易量)、currency通貨、moneyお金、education教育

furniture家具、luggage荷物(英)、baggage荷物(米)

homework宿題・予習、jewelry宝石、evidence証拠、music音楽

newsは、「情報」と捉えることも可能ですが、語源は「new things 新しいこと」の複数形を省略したものなので、「新しいことの集まり」です。「新しい出来事の合計」です。

宿題と言う意味ではassignmentがありますが、こちらは「order命令」「directive指令」と言う1回1回数えられる抽象名詞を語源としているので可算名詞です。homeworkは「工場や店舗でする仕事」に対して生まれた「家でする仕事」を「すべて合計した概念」なので「質量」として捉えます。同じ意味のhousework(家事)も質量名詞です。

また、luggage荷物、baggage荷物、jewelry宝石、evidence証拠、music音楽も全てfurniture家具と同じで、「いつでも合計した概念」で「量」として扱います。

よく分からないのが、「advice忠告」です。語源は「opinion意見」、「view見解」と言う可算名詞なのです。僕は人間の心の働きから不可算名詞になったのではないかと思っています。意見は求めるもの、助言はされるものと言う違いです。「別にアドバスが欲しいわけじゃなくてただ話を聞いて欲しい」っていう人いるじゃないですか。それは意見として「数えたくない」わけです。だから、質量名詞になったのではないかと推測しています。

ちなみに、Cambridge Dictionaryの「advice」の定義はこうです。

an opinion that someone offers you about what you should do or how you should act in a particular situation.
訳:特定の状況において、あなたが何をすべきか、またはどのように行動すべきかについて、誰かがあなたに提供する意見のこと。

Cambridge Dictionary

「あなた、絶対別れた方がいいよ」と言われて「そうだよね」と納得できますか?という話です。それは心に留めておく1つの意見ではなく、右から左に流れていく単なる情報と化していませんか。「命令」のように留めておく義務もないですしね。

まとめ

いかがでしたか?

不可算名詞は文法機能から数えないと言っているだけで、

その本質は「数ではなく」捉えどころのない「質量」として感じ取っているからです。

「質量」に捉えどころがないのは、「どこが始まりでどこが終わりか分からない」からです。

1つ1つの物質に対して1個の果物、1個の家具、1個のお金、1つのアドバイスと認識しているのではなく「いつでも合計したもの」を「果物」「家具」「お金」「アドバイス」と呼んでいるのです。

「いつでも合計したもの」と言う意味は分かりますか?

例えば家具屋に3店舗行くとします。目に入った家具は品ぞろえや、ディスプレが違います。でも全く違うものを見たとしても、「その目に映ったものすべて合計したものが家具」なのです。3店舗とも「中身の違う家具」なわけです。中身が違っても「まとめて家具と呼ぶ」と言う話です。だから始まりと終わりが無いわけですね。

だから、その1点1点を家具とは呼びません。その1点1点は椅子、テーブル、テレビ台、ベッドと呼べば良いのです。

でも家具1点と言いたい時はどうすればいいのでしょう。

その呼び方は、冠詞(a,the)を使うか複数形にするかなど併せて見てもらう方が分かりやすいので、次回にします。

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