前置詞withの使い方の理解に主従関係は不要です!

前置詞withアイキャッチ

前置詞withの使い方を考えるに当たって主従の関係を見つけようとしていませんか?実は主従の関係を考えたところで意味を理解するには全く役に立ちません。もっと別の視点で分析することでwithの使い方を理解することが可能です。今回はwithの語源からどんな時にwithを使うのかを説明します。この記事を読めば主従関係を考える事なく、前置詞withの本質が理解できます。

Withの意味はペア

英単語にはコアイメージがある、と言われますが、一つのイメージから意味から派生していったにしてもwithほど想像のつきにくい前置詞はないと思います。

記録が残る古英語時代の意味を見るとその理由が分かります。

古英語 wiðには”against, opposite, from, toward, by, near,”

「に対して、反対に、から、の方へ向かって、近くに、」

など、これだけの意味で使われています。

恐らくwithと言われて最も馴染み深い「一緒に」へ派生しそうなのはbyやnearくらいですよね。

against, opposite, fromはどこから来ているのでしょう?

もっと遡ると余計に混乱します。

インドヨーロッパ祖語では

「more apart(より離れて)」

を意味するので決して「一緒に」はなれません。

それで僕は思考の変遷を次のように想像しました。

下の図を見てください。「近い」とか「より離れている」というのは、要は位置関係のことです。

A―――――――――B――C

・Aから見ると

CはBよりも離れている。

・Cから見ると

AはBより離れている(インドヨーロッパ祖語)

つまり、紀元前3300年には、AとCの視点しかなかったわけです。

ところが、Bの視点が導入されるとこうなります。

A―――――――――B――C

・Bから見ると

AはCより離れている。

さらに、

AはCと反対にある。

Cは近くにある。

このBの視点によって

「反対に」、「近くに」という位置関係の感覚が出てくるし、

AからCへ視点を切り替える時には、

(Cではなく)Aの方へ向かって

(Aではなく)Cの方へ向かって

と思考が遷移することが想像できます。

これが紀元後450~1150年ころ出てくる視点です。

中期英語では、さらに感覚の変化がみられます。

to denote association, combination, and union,

「関連を意味する、組み合わさる、結合する」                  

AとB、BとCは関連している

と考えていくわけです。

関連があって、距離が近ければ、次第に組み合わさり結合するのも時間の問題です。

だんだん距離感が縮まりましたよね。

「関連している」の中に、なんとなく「向かって」とか「近くに」という感覚が残っていると思いませんか?

そして、近くにいる2者の関係性の一例が「一緒に」という事になります。

「一緒に」と言うのは物理的な近さだけでなく2者間の時間的な関係性も表します。

それは近い距離で「同時に」という事です。

すなわちwithの特徴として「同時性」を含意するという事です。

近くて同時性のある関係性

これが前置詞withの言いたいことなんです。

すごく簡単な表現をするなら、

withを使ってペアにしてやる

と言う事なんです。

この関係性はAwithBで表し、「AとBをペアで考えて下さい」と言う意味になりますが、

  1. 主語Aに対してBが添えられるか、
  2. with直前の名詞(主に目的語)にBが添えられます。

大筋ではこのような構造です。

この1,2の関係性って何かを彷彿させませんか?

実は、withはofの対義語のような前置詞なんです。

前置詞ofの意味は「帰属」だと思っていませんか?だとしたら、ofの使い方は2割程度しか理解出来ません。まずは前置詞ofの語源を紹介するのでコアイメージを押さえましょう。それから前置詞ofの使い方を4つ解説します。
△前置詞ofを読んでない方はこちら

それでは、意味がもっと伝わるように、withの使い方を、例文を挙げて説明します。

前置詞withの使い方①「一緒に」の意味

I want to go with you.
あなたと一緒に行きたい。

よくある基本的な文章ですね。

withの直前には名詞がありません。

だからyouとペアになっているのは主語のIだと考えます。

日本語でも「私はあなたと」なのでペアが分かりやすいですね。

ここではA with BとはI with youのペアであるという理解でオーケーです。

でも次のようにすると少し事情が変わります。

I want to go shopping with you.
私はあなたと買い物に行きたい。

こちらも主語とペアだと考えても全く問題がない文章です。

それは日本語訳からも明らかです。

でもwithの直前にshoppingと言う名詞があります。

だから、A with Bを敢えてshopping with youと考えて見て下さい。

すなわち、

私は、あなたが居る買い物に行きたい

と言う視点を導入して欲しいんです。

買い物とあなたは同時になければいけないもの

このようにwithの直前に名詞がある時は、主語ではなくwith直前の名詞とペアかもしれないと考える癖をつけて、次の文章に備えて下さい。

I left my cat with Hanako.
私は花子に猫を預けてきた。

私と花子がペアなのか、猫と花子がペアなのか、分かりますよね?

私は猫と花子をペアにしてその場を去った、と言う意味なので同時性の含みは猫と花子の関係性の中にしかありません。

A with Bはcat with Hanakoです。

誰が主、誰が従とかどうでもよくないですか。

文の理解に大切なことはもっと別の次元にあるんです。

次の文章は少し難しいですが、これまでの考え方と同じです。

Taro made a clean break with the past.
太郎は過去と決別した。

抽象概念なので分かりにくいですが、

先ずはwith直前の名詞とペアにして、太郎が別れと自分の過去でペアを作ったと考えることも可能です。

太郎と太郎の過去をペアにして別れたんだよ、と考えることも出来ます。

解釈しやすい方を採用して下さい。大切なのは癖をつける、です。

次の文章をみてみましょう。

She’s broken up with Tom.
彼女はトムと別れた。

分かれるのに、どうしてwithを使うのか不思議ですよね?

辻褄が合わないなって思ってませんでしたか?

withは同時性の関係ペアにして考えてねってことです。

「彼女別れたんだって、あ、トムの事も同時に考えてね」

って言ってるんです

つまりA with B=she with Tomが分かれ話の主人公です。

太郎と過去をペアにして考える、パターンと同じです。

「太郎はキッパリ別れたんだって、あ、彼の過去も同時に考えてね」と言ってる訳ですから。

去るのも、分かれるのも、全てペアがあって成り立っていますよね。

その元のペアが何なのかを言いたいので、後からwithで付け足しているんです。

次はどこがペアになっているでしょうか?

He was shot in the back of the head at close range with a gun.
彼は至近距離から後頭部を銃で撃たれた。

こちらは、with直前の近距離と銃がペアで頭を打ちぬかれた

と言う解釈がすっきりするかなと思います。

主語とペアになる場合は彼と銃がペアになったところ、至近距離で撃たれたという考え方でもいいでしょう。

He cut the paper with the knife.
彼はナイフで紙を切った。

こちらは猫と花子の文章と似ていますが、

通常は彼とナイフをペアにして紙を切った

と理解するのが妥当です。

だからいつもwithの直前にある名詞とくっついているわけではないと言えそうですですが、やっぱり癖をつける必要はあります。

その場合は「彼は紙とナイフがペアだったので切った」となり(1つの理解として)、そうすると、withに理由や原因と言った要素が含まれていることが分かります。

Taro is in bed with a cold.
太郎は風邪で寝込んでいる。

「太郎と風邪がペアでベッドにいる」でも「太郎が居るベッドには風邪のウィルスがペアになっている」と考えてもいいんです。それによって「風邪なので寝込んでいると言う理由を表しているんだな」とか「風邪が原因で寝込んでるんだな」と言う理解につながることが大事なんです。

前置詞withの使い方②「対して」の意味

I need to have a talk with you.
貴方に話がある。

こちらの文章はどうでしょうか。

「私はあなたとペアで話す必要がある」

「私は、話とあなたがペアになっている状況が必要なんです」

皆さんが理解しやすい方で解釈をして構いません。

これまでお伝えしたように、前置詞withは「何かとペアで考えてね」と言う話者の意図を表します。

でもそれだけなんです

と言うのも、あなたとペアになって話すというのは、

貴方とペアになって、一緒になって誰かと話すのか

貴方とペアになって、あなた対して話すのか

これを判断するのは文脈から、と言うことです。

一般的にはあなたと2人で話をすると解釈されていますが、

語源のagainstの意味で辞書には掲載されています。

すなわち、「あなたに対して話がある」と言う事です。

「一緒になって2人で話す」と言う理解はあっても「あなたと一緒に誰かのところへ話に行く」と言う解釈は成り立ちません。そもそも文脈には「話をしに行く相手」が居ないからです。私が話に行く相手はあくまでもあなたです。

もともと「あなたに対して話す」状況は第三者から見れば「あなたと二人で(一緒に)話す」姿に写りますね。この事からも「〜に対して」から「一緒に」への派生も想像が付きます。

このwithがagainst~に対しての意味になるのは論じるargueとか戦うfightが代表です。

そしてfight withの時だけ「敵とペアで考える」と「味方とペアで考える」両方の解釈が成り立ちます。

実は日本語でも同じで「私はアメリカ軍と戦った」ではアメリカ軍の味方として、敵として、どちらの意味にもなります。

仮りに、前後関係から私=日本人なら敵として、私=アメリカ人なら味方として、解釈への妥当性が見出せますが、「私は第16師団と戦った」なら、主語の特性からも判断できません。本当にこう言った書き方をしているライターさんや翻訳家が居るんです。不親切極まりないと思いませんか。

だから、fight withと言う表現も不親切な言い方だと僕は思っています。

では、どういう言い方がいいかという事ですが、

敵としてならfight against

味方としてならfight alongside

を使うのが、誤解が少ないのではと思います。

という事で、withはペアにして考えると言う意図しかないことをお伝えしてこの使い方の目次は終わりです。

まとめをご覧ください。

実は、もう少し突っ込んで見ようと思うので、興味ある人は続きを見て下さい。

Fightの意味からwithの必要性を考える

辞書ではfight againstとfight withは同じ「~に対して(敵とペア)」の意味で掲載されています。でも「味方としての意味もある」と言うような注意書きもあります。

ややこしくしているのが、fightと言う単語が自動詞と他動詞どちらの意味もあるというニュアンスではなく、前置詞を使えば自動詞に、前置詞を使わなければ他動詞に、のような要するに、前置詞を使おうが使うまいが自由、としか辞書からは読み取れない書き方がされていることです。

ちょっと例を挙げて見ますね。

He fought the disease bravely for three years.
彼は3年間勇敢に闘病した。

We need the public’s help in fighting crime.
犯罪と戦うためには公的機関の介入が必要だ。

He fought against racism.
彼は人種差別と闘った。

Vitamin C is thought to help fight colds and flu.
ビタミンCは風邪やインフルエンザと闘うのに役立つと考えられている。

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/fight

どうして敵が人種差別の時だけ自動詞になるのか意味が分からないですよね。

でも、前置詞はそもそも要らないのではないか、と言うのが僕なりの見解です。

定義を見れば分かります。

to use physical force to try to defeat another person or group of people
物理的な力によって、他の人やグループを打ち負かそうとすること。

to use a lot of effort to defeat or achieve something, or to stop something happening
何かを打ち負かしたり、達成したり、あるいは何かを阻止するために沢山努力すること。

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/fight

味方ではなく戦う相手目的語として想定しているのです。

目的語を想定しているので前置詞は本来なら不要です。

実際google検索(2022/6/20時点)で

ガンと闘った

あなたと喧嘩した

この2つのワードについて数を調べてみると分かります。

癌と闘う

fought cancer : 1,020,000件

fought against cancer : 420,000件

fought with cancer : 630,000件

癌と闘うのだからwith=againstの意味です。

癌との闘いでは、本来前置詞は必要ないんです。

でも何かしらの前置詞が必要と考えている人(42万+63万=105万)も

前置詞不要と考えている人(102万)と同じくらいいることも分かります。

貴方と喧嘩する

fought you : 3,300,000

fought against you : 1,280,000

fought with you : 3,740,000

喧嘩するという場合、辞書の定義通り、物理的な力で戦う、いわゆる殴り合いのような喧嘩と、言い争うというケースもあり、次のように使い分けている人もいます。

fight you:(敵と)殴り合い蹴り合い。

fight with you : (敵と)口論する。(=argue with)

それを裏付けるような例文が辞書にもあります。

I had a stand-up fight with her (= we argued strongly) about the phone bill.
電話代のことで、彼女と激しく口論(=強く言い争うこと)になった。

https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/fight

また、チームに参加する時にfight withが味方として参加し戦う、の意味になると言っている人もいます。

例えば軍隊に参加して一緒に戦うという場合はfight withだ、と言うわけです。

確かにBBCの記事が、そのような意味で扱っています。

Russian President Vladimir Putin has called for foreign volunteers to be able to fight against Ukrainian forces. ―1行目―

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ軍と交戦可能な外国人志願兵の呼びかけを行っている。(against=に対して)

Speaking at a Russian security council meeting, he said those who wanted to volunteer to fight with Russia-backed forces should be allowed to. -2行目―

ロシア安全保障理事会で、プーチン大統領は、ロシア支援部隊への参加を志願する者には許可を与えるべきだと述べた。(with=一緒に)

Russian Defence Minister Sergei Shoigu said there were 16,000 volunteers in the Middle East ready to fight alongside Russia-backed forces. ―3行目―

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、中東には1万6000人の志願兵がいて、ロシア支援部隊に参加し戦う準備ができていると述べた。(alongside=一緒に)

Foreign fighters, including former and current British army personnel, have also been arriving in Ukraine to fight for the government in Kyiv. ―後半―

元そして現英国軍兵士を含む外国人戦闘員も、キエフ政府に合流して戦う為、ウクライナに到着している。(for=ために)

https://www.bbc.com/news/world-europe-60705486

同じ記事の中にfightに関していろんな表現が出ています。

2行目では物理的な戦いにも拘わらず、すなわち口論ではないのにwithが使用されています。

しかもagainstの意味ではなくalongside味方の意味でのwithです。

2行目と3行目の使い分けの理由は、使い回しを避けるため、としか思えないほど、withとalongsideが同じ使い方をされています。

少し複雑ですが、以下の使い方があるのは間違いなさそうです。

fight with 誰か =誰かと口論になる(with=against)

fight with チーム =チームの一員として闘う。(with=alongside)

但し、fight with youは口論と物理的喧嘩両方含む概念と言っている人もいるので扱いにくい表現だという事に変わりはないです。

まとめ

如何でしたか?

前置詞withの本質は、

同時性、ペアで考えてね

と言う話者の意図そのものです。

ペアになっているモノを考えたときに大きく2つのイメージがあります。

ペアになっているものと一緒になるイメージと

ペアになっているモノに向かっていくイメージです。

基本の構造はA with Bです。

withの直前に名詞がなければほぼ主語がAです。withの直前に名詞があれば、直前の名詞をAとして考えてみてください。

そう言う癖をつけてペアで考えることによって、withってこんな使い方をするのか、と言う感覚が分かってきます。

前置詞ofの解説で気が付いた方もいると思いますが、熟語集を覚えると言うのは前置詞の本質部分を見失わせます。

例えば

Be satisfied with~、~に満足する

これだとAとBが存在することすら分かりません。

I’m satisfied with the news.
私はそのニュースに満足した。

これならペアになっているAとBが見えますよね。

私がニュースとペアになった時に満足した。

と言う構造があるんだという事をしっかりと認識しておきましょう。

そしてその構造が、同時性を意味するので、

私はニュースを聞いた時に初めて満足感が生まれた。

と言う解釈に通じることが分かると思います。

熟語だけではなく例文も見つけてA with Bの構造を理解するようにしましょう。

最後に、withが分離しているパターンも見ておきましょう。

With all her faults, she’s a really good friend.
彼女に欠点はあるが、本当に良い友達です。

彼女は本当に良い友達だ、欠点をペアで考えてもね。

良い友達with欠点=良い友達で同時に欠点がある、と考えると逆説的な意味が生まれますよね。

この感覚が分かれば、withの理解は随分深まっていますよ。

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