第4文型(SVOO)を「主語+動詞+人+もの」って暗記していませんか? SVOOのカラクリさえ分かれば、大変な暗記は不要になりますよ。第4文型の動詞は授与動詞と呼ばれるもので、その特性が理解できれば、SVOOは完璧です。今回はギブミーチョコレートのエピソードから動詞の特性をお伝えして、例文をいくつか紹介したいと思います。この記事を読めば、第4文型の暗記は一切不要になります。
第4文型(SVOO)の動詞Vは所有関係の移動を表す
戦後生まれの母親に、よく聞かされた話があります。
米兵を捕まえて「ギブミ―チョコレート」と言うと
ガムやチョコレートをくれたそうです。
「世の中にこんなに頬っぺたが落ちるほど
おいしいものがあったのか」
と言うのが口癖でした。
Give me chocolate!
厳密には
Give me a piece of chocolate!
ですが、意味は分かりますよね。
これが、実はSVOOの典型なのですが、
「ちょうだい」と言う動詞が要求しているのは、
「何を」と「誰に」だと言うことが分かります。
SVOの “I have a pen” の「have」は
「誰に」を要求しませんよね。
「私は彼にペンを持っている」
ではおかしいですからね。
つまり、giveのような「誰に」「何を」の
2つの目的語を要求するVは第4文型のSVOOの文章を作ります。
そして、兵隊さんが持っていたチョコレートは
私に移動してくれば、私のものになります。
つまりこんなカラクリです。
兵隊さん(S)、あげる(V)、私に(O)、チョコ(O)
よく見て下さいね。
「誰に」「何を」の配置関係は
「先」「後」
「誰が」「何を所有することになるのか」
「私に」「チョコを」
「私が」「チョコを所有することになる」
このように、要求された2つの目的語の配置「O+O」の関係は
「第2の主語+所有物」の関係になっています。
私(S)、持っている(V)、チョコ(O)
兵隊さんくれる、私持っているチョコを
このような形が見えれば完璧です。
このような要求を持った動詞を
授与動詞と呼びます。
授与動詞には以下のような一覧があります。
誰かに物を
「買う」「作る」「とる」「貸す」「料理する(作る)」「送る」
誰かに情報を
「伝える」「教える」「送る」「提示する」など
全て誰かの手元から次の所有者への移動
を要求する動詞だと分かると思います。
それがこの型(SVOO)の本質なんです。
第4文型(SVOO)の例文
では実際にSVOOのVの要求を例文で確認してみましょう。
Can you buy me a new glove?
新しいグローブを買ってくれない?
「私」「グローブを所有することになる」の関係。
He made me some coffee.
彼は私にコーヒーを入れてくれた。
「私が」「コーヒーを所有することになる」の関係。
Please pass me the salt.
お塩を取ってください。
「私が塩を所有することになる」関係。
She lent me some money.
彼女は私にお金を貸してくれた。
「私が一時的にお金を所有する」関係。
Can I get you a drink?
飲み物を持ってきましょうか?
「あなたが飲み物を所有する」の関係
He cooked us a huge dinner.
彼は僕たちにたくさん夕飯を作ってくれた。
「僕らが食べ物を体内に所有する」関係。
Ayane sent Toshi a letter.
綾音はトシに手紙を送った。
「トシが手紙を所有する」関係。
He didn`t tell her the truth.
彼は彼女に真実を伝えなかった。
「彼女が(真実の)情報を所有する」の関係。
Goro taught Toshiya how to play baseball.
吾郎が寿也に野球を教えた。
how to play baseballで「野球の仕方」と言う名詞のカタマリ。
「寿也が野球の知識を所有する」の関係。
We will offer customers a satisfactory solution.
我々はお客様の満足のいく解決を提供します。
「客が解決策を所有する」の関係。
He left his wife a large fortune.
彼は多額の財産を妻に残した。
「彼の妻が財産を所有する」の関係。
My mother saved me a piece of cake.
母は私にケーキを取っておいてくれた。
「私がケーキを所有する」の関係。
このように次の所有者に移動を伴い、
「第2の主語+所有物」
の配置関係が見えると思います。
また移動を感じることが難しい文章でも、
「第2の主語+所有物」
の配置関係が変わることはありません。
Studying abroad will probably cost you a lot of money.
留学はおそらくお金がかかることになるだろう。
あなたがお金を失うという犠牲なので、所有とは異なります。
もちろん「留学がお金を持っていた」わけでもないですが、
「誰かに」「犠牲を」与えると言うのが、costの要求なので、
立派な授与動詞なのです。
こちらは無生物を主語にした、かなり特殊な動詞です。
まとめ
第4文型(SVOO)のVも、やはり他動詞です。
他動詞ですが、haveのような第3文型の動詞の要求は
目的語が1つであるのに対して4文型は2つの目的語が要求されます。
第4文型の動詞を授与動詞と言います。
「あげる」のだから「誰かがもらう」ことになります。
その授与動詞Vが要求するのは「主人公」以外に
「移動させるもの」と「次の所有者」です。
移動させるものを直接目的語(direct object)、
次の所有者を間接目的語(indirect object)と言います。
これは、主人公の動作が直接及ぶのがチョコで、
私には動作が直接及ばないと言うほどの意味です。
そして「O+O」の関係は
「第2の主語+所有物」の関係にあります。
だから、いちいち「人+もの」と覚える必要はないんです。
He gave me(have) a drink.
→He gave a drink then I have a drink.
第2の主語、所有物
Haveが見えれば位置関係が変わってないのが分かりますよね。
「人が持っているモノ」
ただそれだけなんです。
順番で迷うことはもうないと思いますが、
万が一迷ったときには「ギブミ―チョコレート」を
是非思い出していただければ幸いです。
次回は第4文型の置き換え表現と、置き換えたときに使う前置詞toとforのどちらを使えばよいか解説します。
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