第1文型と第2文型の見分け方が分からない英語学習者は意外と多いのではないでしょうか?第1文型と第2文型を見分けるには、be動詞、付属語、補語などの理解が必要です。be動詞の意味と性質が分かれば、次に続くのが付属語なのか補語なのか分かります。補語か付属語か区別がつけばSVとSVCの区別はつくようになりますので、今回は、be動詞が持つ2つの顔と「動詞の要求」と言う概念の理解をしていただき、例文を交えながらできるだけ分かりやすい日本語で解説します。まずは、be動詞を通じて第1文型と第2文型の違いが分かるようになりましょう。万が一読んでいて、品詞と第1文型が分からないという方は、前回までに詳しく解説してありますので、そちらを参照ください。
第2文型(SVC文型)
第1文型と第2文型は動詞の後にCが続くかどうかですが、
Cを解説する前にbe動詞の理解が必要なのでbe動詞について解説します。
be動詞とは分かりやすく言うと「はある」と「はです」
あなたが、相手にモノを伝えるときに必ず必要なのは
物語の「主人公」と「主人公の動作(または状態)」です。
それは「主語」と「述語動詞」と言う形で英語にも必要で、
5つの型すべてにSとVが要求されることからも分かります。
述語動詞に当たるV=動詞には動作を表す「する系」と状態を表す「ある系」があります。
「する系」とは起きる、立つ、歩く、走る、泳ぐ、投げるなどのことで、
「ある系」とは(だれかが)居る、(何かが)ある、の事です。
第1文型の記事では「する系」の話だけしましたが、動詞を考える上では
「ある系」と言うものを捉えていく必要があり、
この「ある/いる」と言う状態に要求されるのがbe動詞です。
例えば「私は1階にいる」と伝えたい場合、動詞は何かというと、「いる」という状態を表すbe動詞を使って
I am downstairs.
私は居る、1階に。
という表現ができます。
「1階に」は「居る」を修飾する副詞だと分かります。
副詞とはSVOCのどれにも当てはまらない品詞ので、この文章がS+Vだと分かるのです。
「私が居る」だけで「主人公」と「主人公の状態」
なので、「最低限状況が思い浮かぶ文章」になるのです。
主語を変えて、場所を変えても「ある系」の意味になれば、
The book is on the table.
その本はある、テーブルに。
「本がある」だけで文章は成り立ち「テーブルに」は
副詞のカタマリなので追加情報になります。
つまりS+Vと言う文型です。
この「居る」や「ある」は「存在する」に置き換えが出来ます。
付属語とは副詞的な(adverbial)要素のこと
でも、「1階に」や「テーブルに」がないと文章が完成していないような気がする
と言う方が圧倒的に多いのではないかと思います。
確かに、その感覚は正しいです。
だって、I am や The book is だけでは会話が成り立ちません。
この理解には動詞の要求と言う概念が必要です。
この副詞や副詞のカタマリと言うのは、動詞の要求にはない成分です。
例えば、動詞「走る」の要求は「誰が/何が」だけです。
「何を/誰を」「誰に/何に」は要求しません。
「僕は走る。」と言う主語と動詞だけで文章が完成します。
「僕はあなたにチョコを走る」みたいに「誰に」「何を」は必要ないですよね。
それが「走る」と言う動詞の要求です。
どんな動詞の要求にも「いつ」も「どこで」もありません。
詳しい描写をするために必要なだけで、
動詞が要求しているわけではないのです。
(強いて言えば聞き手からの要求です)
「いる/ある」は言い換えれば「存在する」の意味です。
「存在する」の要求は「誰が/何が」だけです。
詳しい描写のために「いつ」「どこに」が必要なだけなのです。
つまり、5文型の視点で見た「最低限状況が思い浮かぶ文章」
とは、動詞の要求に従って、副詞と副詞のカタマリを取り除いたものです。
これを文の要素では付属語(adjunct)と言います。
よって、取り除くべきものを取り除くことで
その物語の文型が見えてくるというわけです。
補語とは「はです」と言う意味のbe動詞に続く言葉
では、be動詞の「はです」系についてこれから解説します。
「私は学生です」と言いたい場合に、
「I student」では名詞+名詞なので文章になりません。
型に当てはめるには動詞が必要です。
そこで必要なのがbe動詞です。
日本語では「はです」に相当します。
「私は学生です」の文章から、「私は今学生なんですよ」と言う
現在の私の状態(対象の変化しうる性質)が分かりますよね。
つまり、be動詞は状態を伝える動詞の一種だと分かります。
I am a student.
私は学生です。
この文章は第2文型S+V+Cになるのですが、そもそもなぜa studentがCになるのか、Cとは何かを説明します。
Cとは、complement(コンプリメント)の和訳が「補語」と当てられたもので、
その頭文字をとってCと言っているわけですが、似た言葉にコンプリートというカタカナ言葉があります。
聞いたことないですか?
マジシャンにも「コンプリート!」っていう決め台詞を言う人がいましたね。
「完璧です!」のような意味合いで使うのですが、
「完成する」「完全にそろえる」と言う意味の
コンプリート(complete)と語源が同じなのです。
つまり、「文章に空欄が残った状態で、空欄を埋めて初めて意味をなす」のが補語です。
「私はです」では意味をなさないですよね?
be動詞には2つの意味がありました。
「I am」だけでは「私が居る」の意味になります。
「はです」の意味にしたいのであれば、
be動詞の後に何か単語を補う必要があります。
「a student」と言う名詞のカタマリを補えば、「a student」が補語に、
「smart」と言う形容詞を補えば「smart」が補語になり、
初めて「はです」の意味を持ったbe動詞になるわけです。
a student は I と am から見れば、「文章を完成させるために必要な要素」
ということで「補語」と言うわけですが、
am だって I と student の関係から見れば
「文章を完成させるために必要な要素」ですよね。
なので「文章を完成させるために必要な要素」の意味は
「主語を説明しないと文章が完成しない」
と言う意味で、「補語」という事です。
この「補語かどうか」に関してはbe動詞のある文章が
「はです」の意味で成り立てばbe動詞の続く品詞は補語です。
「いる系」ではbe動詞だけで文章が成り立っています。
第1文型(SV)と第2文型(SVC)の見分け方例文
さらにbe動詞以外の動詞に関しては、動詞の後に続く形容詞は補語です。
では例文を見てみましょう。
I am downstairs.
私は居る、1階に。(SV)
I am a student.
私は学生です。(SVC)
「1階に」は「副詞」で、副詞はなくても文章はなくても成り立ちます。
「学生」は「名詞」で、名詞がないと文章は成り立たず、また
ない場合は「私は居る(存在している)」と言う意味に変ってしまいます。
He went to the park.
彼は公園に行った。(SV)
He looks nice.
彼は素敵に見える。(SVC)
「to the park(公園に)」は副詞のカタマリです。
「He went(彼は出かけた)」と言う意味で文章は成り立ちます。
また、動詞looksの後に形容詞niceが続いています。
よってlooks に続くniceは補語だと分かります。
A. He came to the party with his girl fried yesterday.
彼は昨日彼女を連れてパーティーに来た。(SV)
B. Dreams come true.
夢はかなう。(SVC)
「パーティーに」「彼女と一緒に」「昨日」はすべて副詞です。
まとめて「昨日彼女を連れてパーティーに」で大きな副詞のカタマリです。
どんなに長い文書でも「彼は来た」で文章は成り立ちます。
一方で、Bのcomeは「と言う状態になる」の意味で、
trueは「まさに」という副詞の意味もありますが、
ここでは「真実の」という形容詞です。
動詞の後の形容詞なので「補語」だと分かるわけです。
まとめ
第1文型と第2文型の見分けはつきそうですか?
動詞の要求について今一度整理しましょう。
<例文>吾郎は明日晴れたら走るだろ。
この文章で「明日晴れたら」と言う「条件」は動詞が求めているモノでしょうか?
「だろう」がくっついているため分かりにくいかもしれません。
でもここで言う「動詞」は「走る」です。
「明日晴れたら」と言う条件は、むしろ「だろう」と言う推測表現をするための助動詞willの要求だと考えることが出来ます。
つまり、「条件」は動詞の要求ではありません。
このように条件も含めて、目的や原因、結果、時間、空間(場所)、頻度、程度などすべて副詞(あるいは副詞のカタマリ)と呼ばれるもので、動詞の要求ではなく、聞き手の「もっと詳しく知りたい」と言う欲求を叶えるための副詞表現なのです。
それぞれの副詞表現については追々取り上げますが、
よく出てくる時間と空間は副詞表現で、動詞の要求ではない
という事を覚えていただければ幸いです。
それだけでも文型を見破るレベルが上がります。
もう1点整理が必要ですね。
SVC文型では和訳を見るとCがVを修飾しているように見えます。
「素敵に見える」「真実になる」など、和訳にしてしまうと、
Cが副詞にしか見えませんよね。
しかも、形容詞が動詞を修飾しているように見えますが
形容詞や名詞は動詞を修飾しません。
実はSVC構造は主語と補語が結ばれていて、
その間に動詞が仲介しているという関係です。
「私=学生」「彼=素敵な」「夢=現実だ」になっています。
補語は主人公を説明しています。
(「彼はボールを蹴る」では「彼=ボール」の関係にはなりません。)
SVCの仲介役のVを連結動詞(linking verb)といます。
第2文型の動詞は全て連結動詞です。
だから、連結動詞だと分かれば、動詞が出てきた段階で第2文型だと見破ることができるんです。
be動詞はどんな文法書でも、単にbe動詞としてしか扱いを受けていませんが、
「です系」が連結動詞=SVC構文(第2文型)
「いる系」が自動詞=SV構文(第1文型)です。
「いる系」は「存在する」の意味なので自動詞です。
連結動詞の例文一覧は次回、記事にしようと思います。
さらに、次々回では自動詞と他動詞の深堀をして、第1文型、第2文型、第3文型を見分けるコツを解説予定ですのでお楽しみに!
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