「程度」を表わす副詞の位置と例文(一覧表付)

程度の副詞の位置と例文アイキャッチ画像

副詞の位置をまとめたサイトは他にもありますが、「副詞の性質によって異なる」ことを述べているサイトは他にはありません。結局どんな副詞でも同じと言う感覚に陥り間違いを誘発しがちです。当サイトでは副詞の役割を7つに分類しているので、副詞を体系的に学べます。今回は①「程度」表現の副詞はどこに現れるかということと、②veryの言い換え表現、③名詞を修飾する副詞、と言う3点を中心に解説したいと思います。「これって副詞なんだ」、「これってこうやって使うんだ」と言うことが分かると学びもより濃いものになりますよ。 

「程度」の副詞の位置より前に確認したいこと 

 「程度」表現の副詞は、動詞、形容詞、副詞、そして名詞の程度や強弱を述べるために使用されます。強弱の中には強調と言う概念が含まれます。副詞の位置を変えることで強調するテクニックもありますが、ここで述べているのは、単語そのものが強調表現の副詞だということです。程度を表す副詞の数も非常に多く、すべてを列挙することは不可能なのですが、できる限り多く、かつ理解しやすいようにまとめてあります。 

【表1】程度の副詞・平均以上
【表2】程度の副詞・平均以下

Extremelyの意味 

皆さんは副詞の位置を早く知りたいと思っているとことでしょう。 

しかし、その前に確認したいことがあります。 

シンキングタイムです。

以下の「程度」の中で強い方から番号降ると 

どうなると思いますか?

一旦スクロースを止めて考えて見て下さい。 

非常に、とても、大変、かなり、ごく、本当に、とっても、なかなか、めちゃめ、ちゃむちゃ、無茶苦茶、むちゃくちゃ、滅法、中々、極めて、あまり、すごく、大いに、実に、超、 

さあ、どうですか? 

実は、これ、すべて、veryに充てられた和訳です。 

https://context.reverso.net/%E7%BF%BB%E8%A8%B3/%E8%8B%B1%E8%AA%9E-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E/very

え、ずるいと思ったかもしれませんが、つまり「同じ程度」だという事です。 

翻訳者のワードセンスによって違うだけです。 

(間違っている可能性もあります) 

では、次にExtremelyに当てられた訳を見てください。 

非常に、極めて、きわめて、とても、大変、極端に、著しく、極、かなり、すごく、ものすごく、たいへん、相当、すこぶる、ずいぶん、なんとも、こよなく、随分、もっとも、ひじょうに、いとも、やけに、頗るいたって 

https://context.reverso.net/%E7%BF%BB%E8%A8%B3/%E8%8B%B1%E8%AA%9E-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E/extremely

どうですか。結構かぶっていますよね。 

それは、veryとextremelyが同じ意味なので当然なのです。 

では、またシンキングタイムです。 

あなたの大事な人がコロナ感染によってICUで治療を受けていて 命の危険があり、「もう危ないから状況を家族に伝えておこう」 と担当医が思ったとします。 

あなたが医師から家族の「命の期限の宣告」を受けるとして、 

「非常に危険な状態です。」 

「かなり危険な状態です。」 

「とても危険な状態です。」 

「きわめて危険な状態です。」 

「大変危険な状態です。」 

何れかの宣告をされたときに、 

『「きわめて危険」なら希望はないけど、今先生は、 「とても危険」と言ったからワンチャンいけるかも』と 思って安心しますか? 

しないですよね。だって先生が言っていることは 

「いつ亡くなってもおかしくない」 

と言う宣告の裏返しで言っているのですから、 

緊張感が走ることには変わりないですよね。 

どのワードをチョイスするかは、医師のワードセンス 

つまり、話者のワードセンスに依るというだけの話なのです。 

(厳密には日本語の“かなり”は“きわめて”より弱い) 

それは英語でも同じです。 

多くの人がveryよりextremelyの方が 

「程度」の強い表現と思っていますが、 

(それはネイティブのサイトを見ても明らか) 

そうではなく、全く同じ程度です。 

extremely-definition-from-cambridge
Cambridge Dictionaryからextremelyの定義

「very」と一言だけ書かれています。 

そして表にまとめてある「同等の表現」と言うのは 

同辞書に「veryと同じ」とか「extremelyと同じ」 

と書かれているからです。 

同辞書以外の定義も同様です。

例えば、DICTIONRY.COMは次のように定義します。

DICTIONRY.COMよりveryの定義

「強度のことで、extremlyやexceedinglyと同じ」と定義しています。

Merriam-Websterの定義も同じです。

Merriam-Websterよりveryの定義

Definition of very(veryの定義)にはexceedinglyと書いてあります。

ではexceedinglyの定義は何かを見るとextremelyであると書かれています。

Merriam-Websterよりexceedinglyの定義

つまり、veryの上の程度を表す単語は存在しませんし、 

veryに言い換えることが出来る単語だという事です。 

ポジティブに考えると、veryだけでなく、他の「程度表現」を 

使うことで、あなたのワードセンスが磨かれるという事です。 

それではveryやextremelyを置き換えながら例文を紹介しましょう。 

「程度」を表現する副詞の位置と例文 

基本的には「とても」は形容詞を強調するものなので、 

強調したいものは形容詞の前におきます。 

動詞を強調する場合も動詞の前が無難ですが、 

「とても」の意味にならないとき後ろに置く場合もあります。 

例 

He can swim well.(自動詞の後ろ) 

He can speak English well.(他動詞の目的語の後)など。 

副詞を強調したい場合は副詞の前です。 

very well、so fast、too slowly 

などの関係がまさに典型です。 

He can swim very well.(とても上手く) 

He can swim so fast.(とても速く) 

He walks too slowly.(遅すぎる) 

副詞を強調するとき後ろに置くのがenoughです。 

He runs fast enough.(十分速く) 

では、「とても」の意味の例文を見ていきましょう。 

例文 

The house was uncommonly quiet. 
家の中はあり得ないほど静かだった。 

≒The house was extremely quiet. 
家の中は非常に静かだった。 

He is insanely jealous of his wife.
彼は妻にめちゃくちゃ嫉妬している 

=He is extremely jealous of his wife. 
彼は妻にめちゃくちゃ嫉妬している。 

The earthquake and tsunami hit us horribly.
地震と津波でひどい被害にあった。

=The earthquake and tsunami hit us terribly.
地震と津波でひどい被害にあった。

Helping others is enormously noble.
他人を助けることは非常に尊いことである。

=Helping others is very noble.
他人を助けることは非常に尊いことである。

These pictures are remarkably similar.
ここにある絵は驚くほど似ている。

=These pictures are incredibly similar.
ここにある絵は信じられない程似ている

Having a baby is a wonderfully happy moment.
赤ちゃんを授かることは、素晴らしく幸せな瞬間である。

Having a baby is an enormously happy moment.
赤ちゃんを授かることは、ものすごく幸せな瞬間である。

He was highly successful in his job.
彼は仕事で大成功を収めた。

He was spectacularly successful in his job.
彼は仕事で見事に成功した。

実際にはその形容詞と文脈との相性があり、全て使い回せるわけではないのですが、重要なのは全て同じ程度を表すという事です。(veryより程度が低い表現に関しては、また別の項目を立てたいと 思っています。) 

続いて、名詞を修飾する副詞について解説しますね。 

副詞が名詞を修飾する場合の位置 

名詞を修飾する場合は、単語によって強弱をつけたい名詞の 

前後いずれかに置かれます。 

単語や同じ単語でも意味によって癖があります。 

たとえばquite、even、just、only(“まだ”の意味)などは 

いつも名詞の前でさらに冠詞よりも前に置かれます。

名詞を修飾していますが、冠詞よりも前に来る形容詞はありません。 

例文

Even a child can do it. 
それは、子供でもできる。 

He was quite a gentleman.
彼はなかなかの紳士だった。 

It is just a bird. 
それは、ただの鳥だ。 

He is only a child.
彼はまだ子供だ。(“ただの”“ほんの”などの意味) 

alone、elseは(代)名詞の後に置かれます。 

What else do you want to know? 
他に何が知りたいの? 

He alone can break the deadlock.  
彼だけが難局を打開できる。 

alsoや onlyのように前後に置ける副詞もありますが、 

置く場所を間違えると意味が異なるので注意が必要です。 

基本は出来るだけ近くに置く、です。 

Only he can break the deadlock.  
彼しか難局を打開できない。 

Mike can speak Spanish. I also can speak Spanish
マイクはスペイン語が話せる。私もスペイン語が話せる。 

I speak Japanese. I can also speak Spanish.(動詞修飾) 
私は日本語を話す。私はスペイン語も話せる。 

Only the first son spoke English in his house.(名詞の前) 
長男しか家の中で英語を話さない。 

The first son spoke only English in his house.(名詞の前) 
長男は家の中では英語しか話さなかった。 

The first son spoke English in his house only.(名詞の後) 
長男は自分の家でしか英語を話さない。 

The first son only spoke English in his house.(動詞修飾) 
長男は家の中で英語を話しただけだ。(他には何もしていない) 

まとめ 

veryとextremelyの意味は同じ、程度も同じです。 

正直ネイティブではない僕が、ネイティブの間違いを指摘するのは 

気が引けます。 

しかし、日本人だからと言って完璧に日本語を使いこなせているか 

と言われると、使いこなせている人の方が圧倒的に少ないでしょう。 

一つ例を挙げるとしたら、「破天荒」が真っ先に思い浮かびます。 

多くの人は「豪快」のような使い方をしているようですが、 

「破天荒解」と言う中国の故事から来ていて 

「前人未踏」と言い換えることが出来ます。 

つまり、「誰も成し遂げられなかったことを成し遂げる」 

と言う意味です。 

「言語に関する勘違い」を上げ始めるときりがないので、 

これ以上は控えますが、ネイティブが運営する英語のサイトだから正しいとは言えないのです。 

どちらが上とか下とか悩まなくても、「同じ最高レベルの表現だ」 

と考えて、どんどん使っていく方がシンプルにセンスを磨けます。 

ただ、この「程度の表現」と言うのは、日本語でも使いこなすのが 

難しいと思います。(結構、かなり、相当とか) 

自分でも「間違って使っているな」と感じることが多いです。 

どの言語でもそうですが、使いながら類似している言葉に交換性を感じて 

いろいろ使っているうちに言葉の本質を見失いながら覚えていきます。 

それが、時代とともに意味が変化していくので、 

「言葉は生きている」と言われるのだと思います。 

この記事に訪れてくださった読者さんは、副詞が名詞を修飾することもある 

と理解されたとことと思います。 

学校でも塾でも、名詞を修飾しないと習っている(と思う)ので、 

その単語の品詞すら謎に感じていた人も多いはずです。 

この名詞修飾の副詞は「程度の副詞」表現独特のものです。 

基本的な使い方と位置だけは解説しましたが、 

“非常に”奥が深いので、機会があれば、 

ご自分でも、例文を色々と調べて下さいね。

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