英語における「格」とは、とても理解し難い概念ですよね。ちゃんとした定義もありますが、難しいことが書かれています。でもある時「こういうことだ」と自分なりに意味を理解して納得させたのでそれを皆さんにもシェアしたいと思います。今回は格とはどういうものか、またどのような種類があるのかお伝えします。「格」の意味を理解することで関係代名詞などの理解に結び付けることが可能になります。
格とは入れ物に合わせて変化させる名詞の形
英文は語順が大事だとよく言われますよね。
それは順番を変えると意味が異なってくるからです。
逆に言えば5つの型に当てはめれば文法上は
英作文ができるわけです。
例えばI love youと言う、第3文型では
主語+述語動詞+目的語
私+愛している+あなた・・・・A
この順番で単語を置けばいいのですが、
順番を入れ替えると意味が変わってしまいます。
主語+述語動詞+目的語
あなた+愛している+わたし・・・B
これでなぜ意味が変わってしまうのかと言えば、
誰“が”と誰“を”と言う日本語の助詞に当たるものがないからです。
実はこの順番に3つの入れ物があって、
そこに名詞と動詞を当てはめれば
意味が通じるようになっているのです。
このように第3文型の入れ物は1~3ごとに役割が決まっています。
1の入れ物に入れたものは必ず「~が」の意味になり
2の入れ物に入れたものは必ず「している」の意味になり
3の入れ物に入れたものは必ず「~を」の意味になって
この1と3の入れ物を取り換えることが出来ません。
だから
Aの文は
私は+愛している+あなたを
Bの文は
あなたは+愛している+私を
の意味になるように入れ物の役割が決まっています。
その入れ物の事をケース(case)と言いますが、その場所に合わせて名詞が変化することを「名詞のケース(格)を変化させる」と言います。
ケースとは「小物をケースに仕舞う」と言う時のケースであり、
「いろんなケースが想定されるよ」と言う時のケースですね。
つまり「格」はcaseの和訳ですが、「場面(ケース)によって形が変わるよ」
と言うのが現代英語の「格」の意味だと思って下さい。
格の変化は動詞の要求に従って出てくる名詞の変化です。
「愛している」と言われたら「誰が」と「誰を」が出てきます。
「誰が」と「誰を」は動詞が要求した結果です。
日本語の場合「愛している」と「私」の関係性をはっきりさせるために、助詞をつけて「私が」なのか「私を」なのか語尾を変化させる必要があるという事ですね。
英語の場合、この格の変化には4つの場面(ケース①~④)が想定されます。
大体のイメージを確認いただけましたか?
実はケースには役割があります。その役割を決定づけているのは動詞です。
動詞の性質によって文型が決まるのです。
その文型を使って「私」なら I や mine に
「彼」なら He や him に変形させたものをケースに入れる仕組みです。
それぞれの変化させた(代)名詞の形を主格とか目的格と呼んでいるのです。
主格(主語の入れ物に入れるときの形:nominative)
「私」を例にするとI
人の名前を例にするとTom
「彼」を例にするとHe
この形で主語である①の入れ物に入れます。
主語を仕舞うケース(入れ物)なので主格です。
この入れ物は第1文型~第5文型まで全てにあります。
この主格を入れ物に入れると主語になります。
目的格-1(直接目的語の入れ物に入れるときの形 :accusative:対格)
「私」を例にするとme
人の名前を例にするとTom
「彼」を例にするとhim
この形で(文型によって位置が異なっていますが)③や④の入れ物に入れます。
目的語を仕舞うケースなので目的格を入れます。
このケースに仕舞う場合は、単語の形を I やHe とは別の形に変えて入れる必要があります。
それは、場面(ケース)にあわせた形にしてやるという事です。
この入れ物は第2文型~第5文型です。
第2文型の場合は補語として使います。
例
It is me.(それは私だ)のような文で「私」を意味する単語の格は me なので
目的格ですが、目的語としてではなく補語として使われています。
目的格-2(間接目的語の入れ物に入れるときの形 :dative:与格)
「私」を例にするとme
人の名前を例にするとTom
「彼」を例にするとhim
この形で入れ物に入れます。
この入れ物も第3文型~第5文型です。
この目的格をケースに入れて文章をすれば、
間接目的語になります。
所有格(おおかた日本語の「~の」に相当する形:genitive:属格)
「私」を例にするとmy
人の名前を例にするとTom’s
「彼」を例にするとhis
この所有格だけは名詞ではありません。
名詞を修飾する形容詞(限定詞)です。
名詞の前に小さな入れ物があるので、つまり
この入れ物は名詞にくっついてどこの入れ物にも移動可能です。
所有格と言いますが、所有に限らず大方日本語の「~の」に相当します。
「私の帽子」なら所有ですが、
「彼のアイデア」や「アインシュタインの理論」「地球の表面」
などは所有ではありません。
所有の意味はないですが、「~の」に相当すれば「’s」を付けます。
まとめ
以上のように「格」とは名詞をケースに合わせて変化させる
と言うことですが、現代英語の場合、見た目にはほとんど変化がありません。
変化がなくてもケースは存在しています。
また変化はなくても位置によって主語、目的語の判断は可能です。
じつは古英語では格による変化と名詞の性別による変化を冠詞が担っていて、日本語の助詞なんかより、ずっと大変でした。
日本語のように語順が違っても意味が通る言語だったのです。
性別の変化とは男性名詞、中性名詞、女性名詞によって付ける冠詞が違っていたという事です。
格による名詞の変化はほぼ代名詞のみが現代英語に継承されています。
そして、代名詞の中に紛れ込む「所有格」は名詞ではありません。
代名詞が「所有形容詞」に変化する格変化と言って良いでしょう。
このことは、また代名詞の項目でも述べたいと思いますが、混同しないように今一度整理しておくと良いですよ。
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