現在形と現在時制が同じだと思っていませんか?

現在形の使い方アイキャッチ画像

英語の動詞には現在形と言う活用がありますが、未来に対しても使うことをご存じですか?現在のことを言うから現在形って言うんじゃないの?その感覚よくわかります。未来に使うと言うと奇妙に聞こえますよね。実は未来形と言うものを考えるから時制で躓くのです。今回は副詞を使ってもっと簡単にそして身近に使えるように例文を交えて解説します。この記事を読めば、現在形の誤解が解けると思います。

現在形とは単なる動詞の活用形

それでは、現在形について解説していきます。

「現在形」とは単なる動詞の活用を言っているだけなので、

「現在の表現だから現在形」と言う考えは間違いです。

それから、現在時制と現在形は同じではありません

現在時制の表現方法に動詞の現在形を使った表現がある

と言う事です。

前回の記事をご覧いただき詳細が分かるともっと視界が広がります。)

では、どんな時に動詞の現在形を使うのでしょう。

それは主に頻度の副詞を使いたくなる時です。

頻度の副詞の一覧表
【表】頻度の副詞

これが、頻度の副詞です。

いつも~する。

いつも~だ。

大抵~する。

大抵~だ。

時々~する。

時々~だ。

ほとんど~しない。

などのように、

どのような頻度でその動作(あるいは状態)が起こるのか

このような印が分かる文章で活用させた動詞が現在形です。

動詞の活用とは例えば、

be動詞なら、beが原形で現在形はamやare、isに変化させて使う、

一般動詞swimならswimが原形で現在形はswim(s)、

過去形はswamで変化させて使うと言う意味です。

一般動詞は原形と現在形が同じ見た目なので気が付きにくいですが、

人称によってはswimsに変化させないといけませんし、

原形を使う場合と現在形を使うのでは意味が全く違います。

今、原形を使っているのか、それとも現在形を使っているのか

を意識して文章を読むことがとても重要です。

では、話を戻しましょう。

頻度の副詞は文章の中に印としてついている方が好ましいですが、

例えついていなくても、その印が想像できるものや

付いていないと「どのくらいの頻度で?」と聞き返したくなるもの

このような文章が現在時制における現在形の使い方です。

現在形の例文と解説

頻度の副詞が潜む現在形の表現

例えばこのような表現です。

The sun rises in the east.
太陽は東から昇る。

Water turns into ice at 0 degrees Celsius.
水は摂氏ゼロ度で氷になる。

ここには頻度の副詞はついていませんが、

「いつでもalways」と言う頻度の副詞が隠れていますよね。

次はこんな表現です。

He plays baseball.
彼は野球をする。

I work at a restaurant.
私はレストランで働いている。

こちらは「普段」と言う頻度が隠れていますよね?

或いは「どれくらいの頻度で?」

と聞きたくなりますよね?

毎日野球をするのか、時々働いているのか、

「頻度」を聞きたくなるような文章も現在形です。

さらに、4つの例文から、昨日でも言えたし、

明日も同じことが言えそうですよね?

このことは毎日every dayや毎週末every weekendなどの

頻度を使う場合も同じことが言えます。

このように同じことが繰り返されている場合や、

特に「普段」が潜む文章は現在形です。

I am a doctor.
私は医者です。

I have a car.
私は車を持っている。

She runs fast.
彼女は走るのが早い。

これらの文章は

「毎日(昨日も明日も)医者」であり、

「毎日(昨日も明日も)車を所有」して、

「毎日(昨日も明日も)足が速い」わけで

このような現在の定常状態の含みがある文章は現在形です。

現在の定常状態とは、現在を中心に過去も未来も変わらぬ状況

の事です。

つまり動きの変化を捉える進行に対して

進行の見られない動きや状態に対して現在形を使います。

定常状態を含む現在形の未来表現

この定常状態を含む未来表現が次のような文章です。

He leaves for New York tomorrow.
彼は明日ニューヨークへ向かう。

はっきりと「明日」と言っているので未来の事ですが、

ニューヨーク便と言う定刻の便(定常状態の便)があって、確実にそれに乗っていく

そんな含みを持った未来表現なのです。

このような予定の表現には

  • 到着するarrive
  • 始めるstart / begin
  • 終わるend
  • 空けるopen(始める)
  • 閉じるclose(終わる)

などがあり、現在形を使って表現することが可能です。

そして現在形を使った未来表現はなんと6個もあります。

He leaves for New York tomorrow.

He is leaving for New York tomorrow.

He is going to leave for New York tomorrow.

He will leave for New York tomorrow.

He will be leaving for New York tomorrow.

He is to leave for New York tomorrow.

これらは全て同じ結果になることを話者は言っています。

細かいニュアンスの違いは別の記事で取り上げますが、どれを使っても文法上かまいません。

僕が調べた範囲では、この種の予定の文章ではleavesとis leavingを使う人が圧倒的に多い印象です。

でも、ちょっとまって。

willは未来形や未来時制ではないんですか?

はい、違います。

じゃあこれは未来形って習いましたか?

He has to leave for New York tomorrow.
彼は明日ニューヨークへ向かわないといけない。

has to は現在時制の現在形ですよね。

ただの、現在時制の未来表現です。

「明日行かないといけない」と言う今の状況です。

この感覚で次の文章を見て下さい

He will leave for New York tomorrow.

willは現在時制であり現在形です。

ただの現在時制の未来表現です。

「明日行くつもり」と言う今の心境です。

動詞に未来形や未来時制はありません

教える立場から、便宜上、未来時制と教えているだけです。

詳細をご覧いただくと視野が広がります。

感覚動詞は現在形を使う

感覚動詞には以下のものがあります。

  • 感じる(feel)
  • 味がする(taste)
  • 見える(see/look/appear/seem)
  • 聞こえる(hear/sound)
  • 匂いがする(smell)
  • 似ている(resemble)

状態動詞なので、進行相がありません。

つまり、「頻度」に関係なく

今の感覚を伝える目的で

現在形を使うことになります。

例えば、動作動詞のwalkを使って

「時々この道を歩く」

I sometimes walk down this street.

や「今この道を歩いている」

I am walking down this street.

のように「頻度」と「今」を使い分けますが、

「時々腐った臭いがする」

I sometimes smell something rotten.

「(今)腐った臭いがする」

I smell something rotten.

のように「頻度」と「今この瞬間」の使い分けがありません。

まとめ

如何でしたか?

現在時制と現在形は同じ意味ではありません。

現在時制の中に、

動詞を現在形で活用する

と言う用法があるだけです。

特に「普段」や「いつでも」が潜んだ定常状態現在形で表現します。

中でも本動詞の現在形を単純現在present simpleと言います。

単純現在の表現はお伝えしたように主に3つです。

  • 頻度の副詞が潜む表現
  • 定常状態を含む予定(未来表現)
  • 感覚動詞の「今この瞬間」

そして、定常状態を含む未来表現の延長線上に

定常状態無関係の未来表現があります。

例えば、今8時だとして次のように言えます。

The meeting starts at 10:00
会議は10時から始まる。

こちらは定期的かどうか無関係に

動きようのない決定事項として使われます。

つまり、本動詞を現在形で活用し、未来表現をする場合は

「それがもう動かない決定事項だと話者が分かっている」

と言う含みがあるのです。

日本語も「明日ミーティングがあるんだよね。」と、現在形で言いますよね。

同じ感覚です。

日本語にも英語にも未来形はありません。

以上がまとめになりますが、

単純現在ではなく、現在形を使うという意味では、

willやcanを使った推量や依頼の表現

willを使う未来表現などがありますが、

どれも現在起こっている心の動きの事なので、

現在形を使っているのです。

こちらはまた、それぞれの項目を立てます。

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